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定額制回遊型住み替えサービス、先行体験に定員の9倍超が応募

 東急(株)は16日、定額制回遊型住み替えサービス「tsugi tsugi」の先行体験の実施結果を発表した。

 「tsugi tsugi」は、“ただいま”と帰る場所をツギツギと巡る、旅をするような暮らし方”がコンセプト。契約期間が長期にわたることや初期費用、手数料といった住み替えの課題を解決。(株)東急ホテルズが展開する35施設等の対象施設の中から、その日の都合や気分に合わせて“暮らす”場所を選ぶことができる。

 先行体験は21年4月29日~7月1日に実施。料金は30泊プランを18万円、60泊プランを36万円とし、各プラン定員を50人に設定。4月初旬にメンバーを募集したところ、100人の定員に対して933人の応募があった。

 ユーザーの属性は、会社員・公務員が5割超となるなど、旅するような暮らし方ができる層の拡大が伺えた。また、ワークスタイルもフルリモートが24%、フリーランス等の30%と合わせて54%が出社を必要としなかった。当初はリゾート施設に人気が集中すると想定したが、緊急事態宣言下であったことを含め、「渋谷ストリームエクセルホテル東急」(東京都渋谷区)を始めとする都市型ホテルでのワーケーション需要が多く確認できた。また利用実態も「ワーケーション利用」が最も多かった。

 利用時の働き方については、7割弱が宿泊施設内で仕事をしていた。休日や空き時間の過ごし方は、多くが施設周辺で過ごしており、地域の情報発信の必要性が確認できた。生活コストについては、30泊当たり平均21万8,212円(宿泊費除く)、と、一人暮らしの1ヵ月当たりの平均生活費(約15万円)と比較して高額となった。また、そのうち移動費は平均約9万円と、一人暮らしの平均移動費2万円と比較して大きくコストがかかったため、移動費を低減する仕組み作りが課題となった。

 同先行体験で得た成果やユーザーからの要望を踏まえ、利用人数や対象施設の拡大や各種改善のほか、暮らし方の定着に必要な生活サポート機能の拡充を図っていく。次回募集は今年秋以降を予定する。


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