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コロナ禍の取組事例を共有/日管協IT・シェア協

 (公財)日本賃貸住宅管理協会IT・シェアリング推進事業者協議会は20日、オンライン形式によるセミナーを開催した。

 同協議会会長の榎 和志氏は、「今回のセミナーでは、昨年9月に設立した『ニューノーマルワーキンググループ』のメンバーが、コロナ禍での成功談や失敗談をディスカッション形式で披露する。ニューノーマル時代のビジネスに生かす多くのヒントを得ていただきたい」などと挨拶した。

 ディスカッションでは、大東建託パートナーズ(株)事業戦略企画室室長の橋本昌史氏、ウスイホーム(株)不動産管理部執行役員・不動産管理部部長の山本賢二氏、(株)ニッショー営業企画課課長の鈴木伸哉氏が登壇。コロナ禍で失敗・苦労したことについて、「オンライン内見では、定刻になっても相手が現れなかったり、飲酒しながらで話が成立しないなど、これまでには考えられなかった出来事が起こった」(鈴木氏)、「3年前からBCP対策として始めたコールセンターが、緊急事態宣言の発出により機能不全に陥ってしまった」(橋本氏)、「個人情報の持ち出し禁止の管理部門などは、テレワーク体制を整えることが困難だった」(山本氏)と紹介。その後の対応として、「失敗例やお客さまからの苦情は社内で即共有し、同じことが起こっても慌てないための材料とした」(鈴木氏)、「テレワーク『できる・できない』部署があり、今後の働き方を考えるきっかけとなった」(山本氏)などを挙げた。

 コロナ禍での成功・成果については、「ワークスペースを確保するためのリノベーション事例が多かった。業績の落ちた部署もあったが、事業総合力で補い合い、2020年度は過去最高の業績を上げることができた」(山本氏)、「オンライン接客システムを開発するなど、短期間でデジタル化を促進できた」(鈴木氏)、「116万超の契約書のデジタル化したことにより、リモートワークへの転換も容易となった」(橋本氏)といった事例を披露した。

 引き続き、(株)クラウドリアルティ代表取締役の鬼頭武嗣氏が、プロジェクト起案者と投資者をつなぐプラットフォームの仕組みを解説。これにより実現した、京町家再生、シェア保育園、再生可能エネルギープロジェクト等の取り組みを紹介した。
 また、20年6月に改正・公布された「金融商品の販売等に関する法律」により、「金融サービス仲介業」が創設されたことに言及。「これまで、銀行、保険、証券の分野で契約締結を仲介する場合には、個別に登録する必要があったが、金融サービス仲介業というライセンスを持っていれば、どの金融サービスも提供できるようになる。今後、産業構造が大きく変化していくことが予想される」と話した。


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