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都心Aクラスビル、賃料はおおむね横ばいで推移

 三幸エステート(株)は29日、(株)ニッセイ基礎研究所と共同開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標「オフィスレント・インデックス」(2021年第3四半期(7~9月)版)を公表した。

 東京都心部のAクラスビル(延床面積1万坪以上、1フロア面積300坪以上、築年数15年以内)の坪当たり賃料は、3万4,934円(前期比398円下降)。賃料は4期連続で坪当たり3万5,000円前後の動きが続いており、おおむね横ばいでの推移。一方、空室率は3.3%(同1.4ポイント上昇)と4期連続で上昇。17年第2四半期以来の3%台となった。新築ビルへ移転したテナントの二次空室の発生に加え、オフィス戦略の見直しに伴い生じた大口の募集床がテナントを確保できないケースが見られた。

 Bクラスビル(1フロア面積200坪以上でAクラスに含まれないビル)は、坪当たり賃料は2万168円(同82円下降)。空室率は4.3%(同0.3ポイント上昇)と6期連続で上昇した。新築ビルに移転したテナントの二次空室が後継テナントを確保できず、まとまった面積の現空床が生じている。需要がコロナ前の水準を下回っており、今後も空室率の上昇傾向が続くとみられる。

 Cクラスビル(1フロア面積100坪以上200坪未満、築年数制限なし)は、坪当たり賃料が1万6,551円(同287円下降)。空室率は4.0%(同0.4ポイント上昇)と6期連続で上昇した。集約移転により空室が生じるケースが引き続き散見される。A・Bクラスビルと比較して需要は活発なものの、現空床の増加が成約を上回っており、空室率の上昇傾向が継続している。


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