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アプリで“歩き旅体験”。地域活性化で新事業

膝栗毛アプリ使用イメージ。音声ガイドが聞くことができるスポットも

 三菱地所(株)は25日、(株)JTBコミュニケーションデザイン(以下、JCD)と共同で、スマホアプリを通じて“歩き旅体験”を提供し、地域のにぎわいにつなげる新サービス「膝栗毛」を開始したと発表した。

 同サービスは、三菱地所の「新事業提案制度」を通じて、事業提案者の米田大典氏の案を実現したもの。同氏が代表取締役の(株)膝栗毛(東京都千代田区)を設立し、これまでの同社のまちづくりの知見や、JCDの地域交流事業に関するネットワークを生かし、サービス提供のプラットフォームとして、スマートフォンアプリ「膝栗毛」を企画・開発した。

 膝栗毛アプリでは、「身近なまちの、何気ない道を、エンターテイメントに」をコンセプトに、今までは通り過ぎていたような身近なまちや道の“歩き旅”を楽しめるコンテンツを提供。ユーザーは、マッピングされた“歩き旅”ルートを歩きながら、固有の歴史や郷土文化などを盛り込んだ地域ならではの情報を収集でき、GPS連動型音声ガイドを楽しみながら歩くこともできる。ルートごとに提携店舗として「膝栗毛茶屋」を設定しており、他のユーザーや膝栗毛茶屋の店員とコミュニケーションを楽しむこともできる。

 第1弾として江戸時代に整備された五街道の1つである東海道を舞台に、日本橋から三島、京都から草津の13区間でコンテンツを提供。今後は、同サービスを観光情報発信ソリューションとして地方自治体や商店街、企業などに提案し、「東海道五十三次」に限らず、さまざまなエリアに拡大していく計画。なお、ユーザーについては基本的に無料で利用可能だが、今後はプレミアムコンテンツなど課金制のメニューも想定している。

 25日の記者発表会で米田氏は、「新しい建物(ハード)の開発ではなく、地域が持つ魅力をコンテンツ化して、さまざまな体験をユーザーに提供。それにより地域に人の流れをつくり出し、まちづくりを推進する。コロナ禍で推奨されるオープンエアのアクティビティ、マイクロツーリズムなどのニーズにもマッチする、三菱地所として新たなチャレンジとなるサービスだ」などと抱負を述べた。

ルート上のスポットを撮影することでアプリ上でチェックインできる機能も実装。チェックインするとポイントが貯まり、アイテムと交換できる機能も予定している


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