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21年最優秀リノベ作品は「災害を災凱へ」

 (一社)リノベーション協議会は7日、「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2021」の総合グランプリを発表。授賞式を開催した。

 同協議会加盟企業800社超の施工事例の中から、1年を代表するリノベーション作品を決定するコンテスト。今年で9回目の開催となる。
 施工費別に、「500万円未満」「1,000万円未満」「1,000万円以上」「無差別級」の4部門に事例を分類し、ノミネート作品を選出。1次審査はSNSを活用し、消費者の「いいね!」の数で決定した。最終選考は、業界新聞や雑誌など住宅系を中心としたメディアの編集者からなる委員が選考を行なった。

 今回は228作品がエントリー。投票期間は9月24日~10月27日、一次選考を11月5日に実施し、最終選考に進む62作品を選出した。「いいね!」の数は5万6,197で、参加企業数は91社。

 総合グランプリには、(株)タムタムデザインの「災害を災凱へ」(無差別級)を選出。同作品は、20年7月の豪雨により洪水被害を受けた熊本県人吉市の「球磨川くだり発船場」をリノベーションした地域観光拠点施設。従前の人吉城を踏襲した本瓦の和風建築から、外壁をカーテンウォールに改修。受付の壁には、九州全域から集めた砂や流木を使い、土砂のイメージを“応援の壁”に変えた。施工面積は540.88平方メートル、施工期間は8ヵ月、施工費は2億3,000万円(税込み)。

 大会を総評して、審査員から「自宅で過ごす時間を豊かにしたいという気持ちが、リノベーションにも反映されている」「コロナ禍で得た多くの気付きは、業界にとって追い風となる」「“働く”をテーマとしたリノベーションは、今後もバリエーションが増えていくだろう」などの感想が挙がった。


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