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「丸の内NEXTステージ」で5つのまちづくり戦略/三菱地所

 三菱地所(株)は25日、同社が推進する2020年代における丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町地区)のまちづくり「丸の内NEXTステージ」において、新たに5つのまちづくり戦略を発表した。

 20年7月に公表した「ポスト・コロナ時代のまちづくり」を踏まえ、ポスト・コロナを本格的に迎えようとする今、丸の内のまちづくりに求められる役割と具体化戦略について、改めて定義した。フレキシブルなワークスタイルへの変化をチャンスと捉え、「就業者28万人×8時間から、多様な就業者100万人×最適な時間、交流するまち」を掲げ、「一人ひとりに即した1億通りの刺激・学びがある」「最適な仲間・コミュニティに参加できる」「協創・アウトプットが最大化する」まちの実現を目指す。

 その戦略として、「多様な場の提供」「多様なテーマ・コミュニティ」「面でのつながり・発信」「クリエイティブな活動を引き起こす」「デジタルビジョン・スマートシティの実現」を定義。

 「多様な場の提供」では、新たなフレキシブル・ワークスペースの企画・開発を進めるとともに、曜日貸し、時間貸し、会員制等のフレキシブルな契約形態と場を用意する。また、飲食店舗の空き時間のオフィス利用、公共空間のワークプレイス利用等、一つの用途に限定しない柔軟な場の使い方を提案していく。

 「多様なテーマ・コミュニティ」では、企業・個人の集積と多様化を進めると同時に、テーマを数多く設けて、同じ課題に取り組む提携先・仲間を見つけやすく、かつ異業種との協創につながるコミュニティ同士の交流を促進する。

 「面でのつながり・発信」として、丸の内にある複数の協創施設やコミュニティの共同利用を進め、エリア内を移動しやすいようパーソナル・モビリティも整備していく。

 また、「クリエイティブな活動を引き起こす」ことを目的にまちづくりに共感してもらえるよう、脱炭素社会への対応、アート×ビジネス、地域×都心といったテーマにまち全体で取り組んでいく。また、みどり豊かなウォーカブルな空間と居心地の良いショップ&レストラン等、五感に訴える屋内外の空間も創出する。

 さらに「デジタルビジョン・スマートシティの実現」として、まち単位でDX化に取り組む。おおむね整備が完了している人流データ・デジタルツイン等の都市のデジタル基盤、オープンなサービスが参加できるプラットフォーム、利用者との一元化接点となる基盤(Machi Pass)などを生かし、エネルギーマネジメントやロボット活用等を推進していく。

 記者発表会で同社執行役員の井上俊幸氏は、「コロナ禍で、働き方はもちろん働く以外の時間の使い方についても、価値観が大きく変わっている。そうした中で、丸の内にどういう働き方ができるオフィスが必要なのか。改めて丸の内が果たす役割を考え、戦略を定義した。コロナ禍を機に丸の内で少しだけでも働いてみたいと思うような企業もきちっと拾っていきたい」などと話した。


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