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脱炭素へ、GHG排出量算出マニュアル策定/三井不他

 三井不動産(株)と(株)日建設計はこのほど、オフィスビル等の建設時における温室効果ガス(GHG)排出量を算出するたの実務者向けマニュアル「建設時 GHG 排出量算出マニュアル」を策定したと発表。

 従来の建設時GHG排出量は、「工事金額」に対して環境省が定める排出量原単位を乗じて算出していた。この手法は、排出量を簡便的に推測できるものの、工事総額金額の多寡により排出量が変動する点や、工種ごとの排出量が把握できないといった点から、具体的なGHG削減策が反映されないといった課題があった。
 そこで、(一社)日本建築学会の「建物のLCA指針」(以下、LCA指針)を応用した建設時排出量の算出に取り組み、マニュアルを策定した。

 「建設時 GHG 排出量算出マニュアル」は、LCA指針の利点を生かし、より実用的にアレンジしたもの。実務者の運用方法の違いに伴う計算結果のばらつきを是正するための“詳しい解説”と、パラメーターを入力するだけで算出できる“支援ツール”で構成されている。
 このマニュアルを活用すれば、同質のパフォーマンスを実現できるため、サプライチェーン全体を同一基準で評価することが可能になるという。

 今後三井不動産が関与する発注物件においては、同マニュアルの試行を進める。日建設計は、関連する学協会とも連携し、マニュアル・ツールの改訂・改良を進める考え。

 なお、マニュアルは学協会、不動産会社や設計事務所といった同業他社、施工会社、建築資材機材メーカーなど幅広い関係者と共有し、より使いやすい実務ツールとして整備していく計画。


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