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新築住宅への適合義務化へ、建築物省エネ法を改正

 「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」が22日、閣議決定された。

 2050年カーボンニュートラル、30年温室効果ガス13年度比46%削減実現に向け、建築物分野での省エネ対策を加速。建築物分野での木材利用を促進し、吸収源対策の強化に寄与させる。

 現在、床面積300平方メートル以上の非住宅建築物のみとなっている省エネ基準への適合を、25年度以降全ての新築住宅・非住宅建築物でも義務付ける。トップランナー制度の拡充や、販売・賃貸時における省エネ性能表示を推進することで、30年以降の新築をZEH・ZEB水準へと誘導する。

 また、ストックの省エネ改修や再エネ設備の導入促進へ向け、 住宅の省エネ改修に対する(独)住宅金融支援機構による低利融資制度を創設。市町村が定める再エネ利用促進区域内について、建築士から建築主へ再エネ設備の導入効果の説明義務を導入。省エネ改修や再エネ設備の導入に支障となる高さ制限等を合理化する。

 木材利用の促進に向けては、二級建築士でも行える簡易な構造計算で建築可能な木造建築物の高さを13m以下から16m以下とするなど合理化することで、3階建て木造建築物の建築を拡大。大規模建築物については、大断面材を活用した建築物全体の木造化や、防火区画を活用した部分的な木造化を可能とするなど、防火規制を合理化する。

 これらにより、30年度時点の建築物に係るエネルギー消費量を13年度比約889万kL削減する。


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