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地所H、木造・木質化推進へプラットフォーム

「KIDZUKI」により生まれた、国産材の端材等を活用したプロダクト。写真は本棚として活用している

 三菱地所ホーム(株)は14日、木造・木質化の推進に向けたプラットフォーム「KIDZUKI(キヅキ)」の始動を発表。専用サイトをオープンした。

 同社や他の事業者、行政、教育機関、クリエイター、生活者等が集まり、それぞれの課題とソリューションをシェア。建築物だけでなくさまざまな分野の木造・木質化のプロジェクトを進め、社会課題の解決等にもつなげていく。

 初弾として、同社の生産過程で生まれる国産材の端材や廃材を用いたプロダクト作りを、トラフ建築設計事務所、カリモク家具(株)、(株)石巻工房、(株)三菱地所住宅加工センターと連携してスタート。同プロダクトは、7月に移転する三菱地所ホームの新社屋に設置する予定。オフィス利用者の意見を聞いて改良していく。また、玉川大学、地方自治体と連携して、木製プロダクトを用いた地域活性化の取り組みも進めている。

 「KIDZUKI」プロジェクトの推進により、木造建築の受け皿となるリーディングカンパニーへの成長、新規事業やサービスの創出、SDGsやカーボンニュートラルの達成などを目指す。同日会見した同社代表取締役社長の加藤博文氏は「当社や三菱地所グループでは、木造・木質化に向けた取り組みや研究を進めているが、今回のプラットフォームの開設もその一環だ。長年『木』と向き合ってきた当社だからこそできる取り組みだと考えている。多様な人とつながることで新たな発想が生まれるはずだ」と述べた。

 同プラットフォームは、コンセプトに共感していれば誰でも参加できる。8月以降は、サイトコンテンツを充実させ、さまざまな人に活動状況をPRしていく。

 また同社は同日、CO2排出量削減戦略を発表した。「KIDZUKI」の取り組みにも関連する国産材の積極的な利用、プレカット技術の促進、廃棄物を抑制する施工方法・リサイクルしやすい材料の選定を推進。ZEH率を2030年度までに85%まで高める(現時点で41~42%)。これらの取り組みにより、CO2排出量を30年度までに19年度比で60%削減するとした。


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