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専有部に水回り。共用施設の一部は地域に開放

「Well-Blend 阿佐ヶ谷」外観
コロナ禍以降の賃貸住宅ニーズを反映。居室内にトイレ・洗面・シャワールームを設け、プライベート性を高めた

 (株)リビタは31日、多機能交流型賃貸住宅として新たに立ち上げた新ブランド「Well-Blend(ウェルブレンド)」初弾として9月に開業する「Well-Blend 阿佐ヶ谷」(東京都杉並区、総戸数60戸)を報道陣に公開した。

 「Well-Blend」は、同社がこれまで手掛けてきたシェア型賃貸住宅「シェアプレイス」のノウハウを生かしながら、賃貸住宅ユーザーの新たなニーズを盛り込んだ賃貸住宅。コロナ禍以降の衛生意識の変化や、働き方の変化による住まいに求める機能の多様化に対応。専有部に水回り設備を設置するほか、共用施設を充実させ、その一部を地域に開放することで「街と混ざる」賃貸住宅として企画した。これまでの「シェアプレイス」よりもプライベート性の高い居室としたうえで、居住者や地域と自分の距離感で交流できる「賃貸住宅」として展開していく。

 「阿佐ヶ谷」は、JR中央線「阿佐ヶ谷」駅徒歩14分、同線「荻窪」駅バス9分バス停徒歩1分に立地。地上4階建て、1989年築、延床面積約1,500平方メートルの建物は、ジェイアール東海不動産(株)が保有。独身寮として使っていたもの。1階に共用施設として、ラウンジ、ブックサロン、コモンキッチン、ワーキングスペース、サウナ・浴室、屋上にルーフガーデン、建物前にポケットパーク、各階にランドリールームを設置。中央線沿線エリアで飲食店等を展開するデイリーズが、入居者や地域住民に食事を提供。ポケットパーク、ラウンジやブックサロンは地域住民にも開放し、デイリーズの食事や居住者との交流が図れるようにした。ポケットパークにはキッチンカーを停め、地域住民も利用してもらう。

 住戸は、専有面積15~16平方メートル。トイレ、洗面、シャワールームを設置。4階の4戸には、椅子とデスク、有孔ボード、ハンガーを備え、手ぶらで入居できるようにしている。また、2階の2戸は樹脂サッシの二重窓に改装。光熱費をモニタリングするほか、入居者に快適性等をヒアリングして、今後の施設開発に反映させる。

 賃料は、7万7,000~9万2,000円。別途共益費8,000円、光熱通信費1万1,000円。同シリーズは現在、4施設を開発中で、今後23区内を中心に2026年までに10施設の開業を目指す。同日会見したリビタ取締役運営事業本部長の横倉康生氏は「入居者の新たなニーズ、価値観に対応した。今後はウェルブレンド中心で展開していく意気込みでいる」などと語った。

ラウンジやブックサロンは地域住民にも開放。入居者との交流を促す
ポケットパークにキッチンカーを停め地域住民にも利用してもらう
共用施設としてサウナも設置。男女週替わりで入居者が楽しめる


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