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不動産の透明度、日本は12位で最高カテゴリに

 JLLおよびラサール インベスト マネージメントは31日、「2022年版グローバル不動産透明度インデックス」を公表した。両社が世界の不動産市場に関るする情報を収集し、各市場の透明度を数値化。2年に1度公表しており、今回が第12版となる。今回は世界94ヵ国・156都市を対象に分析した。

 透明度インデックス、グローバルの1位は、英国(スコア1.25)に。2位は米国(同1.34)、3位はフランス(同1.34)であった。ほとんどの国や地域で透明度の改善が続いているものの、前回公表の20年からの透明度スコアの平均改善率はわずか2.0%にとどまり、調査開始以来もっとも低い比率にとどまった。

 日本は12位(同1.88)と前回調査の20年の16位から順位を上げ、調査開始以来最高の順位。透明度ランク「高」「中高」「中」「中低」「低」のカテゴリの中の「高」に初めてランクインした。気候変動リスクに関する報告の取り組みやサステナビリティ目標の達成、データの充実、オルタナティブ不動産セクター(セルフストレージ、学生寮等)での改善が見られたことが、透明度向上につながった。 

 サブインデックス別にみると、「パフォーマンス測定」「サステナビリティ」がそれぞれ6位。「規制と法制度」が11位に。一方で、「市場ファンダメンタルズ」やデータ開示などの「上場法人のガバナンス」、「取引プロセス」では20位圏外にとどまった。

 JLLリサーチ事業部長の赤城威志氏は、「日本がもっとも透明度の高いカテゴリに入ったことは、大変喜ばしい。これは、日本の不動産マーケットが非常に成熟したということの証であるとも言える」と述べた上で、評価が低かったサブインデックスについて、「共益費などの不透明性、普通借家契約による将来のキャッシュフローの把握が難しいといった点などから減点されている。エネルギーコストが上昇している今は、共益費についてテナントに開示して、双方で削減の努力をしていく、という動きもあって然るべきで、改善のいいチャンスではないか」とコメントした。

「高」「中高」「中」「中低」「低」の分布図


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