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郊外住宅地で自動運転サービスの実証実験/東急

すすき野地区の公道を走行する自動運転車両。車体の前方等に設置したレーザーレーダーで周囲の建物、障害物などを検知し、車両の速度および進行方向を自動制御する
バス停留所で一時停止する様子

 東急(株)、東急バス(株)は14日、13日に開始した多摩田園都市エリアのすすき野地区(横浜市青葉区)での自動運転モビリティの実証実験において、メディア向けに自動運転車両の試乗会を開催した。

 近年、多摩田園都市エリアなどの郊外住宅地では住民の高齢化が進行している。すすき野地区は、東急田園都市線「たまプラーザ」駅、「あざみ野」駅より約4km離れた横浜市北部に位置し、地区の大部分には(独)都市再生機構(UR)が建設した「すすき野団地」が所在する。住民の大半はバスを利用して両駅に向かうが、周辺は起伏の多い丘陵地帯であるため、高齢者にとっては移動にかなりの負担がかかっていた。

 そこで今回、最寄りのバス停留所へアクセスする新たな移動サービスの確立に向けて、自動運転モビリティの実証実験を行なうことにした。東急バスが全体のとりまとめと警察関係者との協議を行ない、東急が自動運転システムの提供、走行調整を担う。期間は15日までの3日間。

 車両は(株)タジマモーターコーポレーション製の8人乗り電気自動車。自動運転システムには名古屋大学COIの「ADENU」を活用し、規格は一部の動的運転タスクを運転手(ヒト)が実行する「レベル2」とする。最高速度は19km/h。実証実験では、「すすき野団地折返所」から発車し、周辺を反時計回りに周遊して同折返所に戻る。新たな移動サービスの可能性を探ると共に、一般車両と協調した運行が可能なのか等を検証する。

 22年度内に予定する第2弾の実証実験では、遠隔監視設備を設置し、一般ユーザーの試乗会を開催する予定。また車内に案内システムを設け、行き先・次バス停の案内など、路線バスの乗務員が実施している乗客への案内業務を自動で実施するシステムの開発も目指す。

第2弾の実証実験では、車両の遠隔監視設備を設置する予定


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