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今後も年間4,000~5,000戸を安定供給/野村不

 野村不動産(株)は11月30日、報道関係者向けに分譲住宅事業に関する説明会を開催。22年上半期時点のマーケットや同社顧客動向、ニーズの変容、今後の取り組み等について、同社取締役兼専務執行役員住宅事業本部長の中村治彦氏らが説明した。

 マーケットの現況については、「好調」とし、住宅価格は引き続き高止まり状態を想定。好調の要因として、需要サイドでは低金利、共働きの増加による世帯収入の増加、コロナがきっかけで高まった住宅ニーズが依然高い点、供給サイドとしては供給量の少なさによる需給バランスが考えられるとした。

 顧客ニーズの変容については、コロナ初期に比べテレワーク実施の二極化に伴い、「エリア」「駅距離」「広さ」などの趣向性が多様化。「エリア」志向は増加する一方で、「駅距離」「広さ」は減少傾向にあり、「駅距離」は予算の兼ね合いで妥協点となりつつある。その一方で、コロナ禍で生まれた間取り効率や収納・家事省力化などニューノーマルの趣向によるニーズは固まりつつある状況とした。

 首都圏顧客の住宅購入マインドは、エリアにより濃淡が出始めてはいるものの、同社独自調査結果により購入に前向きな層が約7割と依然高水準を維持。こうした状況から、同社では、市場の縮小が懸念されている中、適格なニーズを捉えて選ばれる商品づくりに注力することで、今後も年間4,000~5,000戸の安定供給を計画する。非常に熾烈な用地取得競争環境にある中で、おおよそ3年先までの供給分は仕込み済みとなっており、今後は、より気軽に相談できる場としてプラウドオンラインサロンの拡充、販売センターの拠点化など、営業手法の拡充などを図っていく。

 またここ数年の傾向として、同社顧客の世帯年収は1,200万円超世帯の割合が増え、夫婦で年収差が少ない2馬力夫婦も増加。1億円超の高予算顧客は5年前と比較して倍増しており、高額物件の専門部署を新設するなど、富裕層の取り込みも強化していく。
 「今、都心に対しての大手ディベロッパーの目線が非常に強い状況。坪単価1,000万円超の事例が出ており、当社の実績でも富裕層の需要が明らかに固い。顧客の支払い余力については、直近では、郊外部などではエリアや物件により狭まってきてはいるものの、都心については現状、十分余力があるとみている」(中村氏)。


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