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築50年超Mでの宅配ボックス、住民の約8割が「必要」

 郵便受けや宅配ボックス等の設備を企画・開発する(株)ナスタ(東京都港区、代表取締役社長:笹川順平氏)は、渋谷区と共同で「高経年マンションの宅配ボックス等に関する調査」を実施。結果を公表した。

 両者は高経年マンションへの宅配ボックス・大型郵便対応ポストの設置に伴う実証実験の協定を2021年9月に締結。今回の調査はその一環となる。

 適正な管理と良好な住環境整備の促進を目的に、近年のEC需要の急激な拡大でマンションの必須設備となった、「宅配ボックス」と「大型郵便対応ポスト」の設置を支援し、入居者の利便性・満足度の向上やエントランスの美観改善に対しての効果を検証した。調査対象は渋谷区の築50年超のマンション2棟。実証期間は22年3~8月末で、有効回答数は設置前が34、設置後が36。

 「現在入居しているマンションに、今後も大型郵便受箱・宅配ボックスは必要か?」との問いでは、「ポスト利用者」の77.8%が「必要」(「絶対に必要」と「必要」の合計)と回答。宅配ボックス利用者は75.0%が「必要」(同)と回答した。

 設置されて良かったと感じた点は「再配達の手間がなくなった」との回答が82.1%と最も多かった。次いで「配達員と対面せずに済んだ」(25.0%)、「荷物を待つ必要がなくなった」(21.4%)、「エントランスの美観が良くなった」(21.4%)となり、入居者の手間軽減と再配達削減に効果があったとしている。

 そのほか、良かった点として「新たに設置されたポストは量が多く入るので助かている」や「エントランスが良くなった。マンション全体での再配達が少なくなったように思う」といったコメントが挙がった(ナスタ調べ)。

 今回の実証実験を通じて、宅配ボックス・大型郵便対応ポストの設置を普及させることで、入居者の利便性・満足度の向上やエントランスの美観改善に貢献することが実証され、高経年マンションが抱える社会問題の解決にもつながる結果となった。一方、費用負担など導入に際してのハードルがあるため、資金的な支援など設置推進のための検討が必要であることも分かった。渋谷区では今回の意見を参考にしながら、引き続き効果的なマンション施策の実施に向けた検討を進めていく。


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