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企業にとってワークプレイス戦略がより重要に

 (一財)日本ビルヂング経営センターは27日、第24回新春特別ビル経営セミナー「新型コロナやロシア・ ウクライナ情勢など環境が激変するビル経営を展望する~ インタラクティブな街づくりと最新技術によるワークプレイスの進化~」をライブ配信で実施した。

 冒頭、挨拶に登場した木村惠司会長は「世界中の企業があつまり、大きな需要を作り出して、都市が発達していく。最近は供給過剰が叫ばれたりもしているし、グローバル化の進展が止まることの懸念も中期的にはあるかもしれない。そのような中でこれからオフィス業界、オフィスビルがどう発展していくかを考える機会にしてほしい」と語った。

 三菱地所(株)代表執行役 執行役副社長の谷澤淳一氏は、「丸の内 NEXTステージ~変化を象徴する街であり続けるために~」をテーマに講演。江戸末期の丸の内、その後の丸の内の払い下げ、その後の開発、再開発と130年の軌跡を紹介。丸の内仲通り沿いにおける6ビルの連続建て替えによる歩行者が回遊を楽しめるまちづくりや現在進行中の東京駅前常盤橋プロジェクトなども含め、多面的な取り組みについて写真を多用して説明した。

 同志社大学名誉教授で知的オフィス環境推進協議会会長の三木光範氏による「AI・IoT・メタバースを活用したワークプレイスの革新」、コクヨ(株)ワークスタイルイノベーション部主管研究員の齋藤敦子氏による「企業価値を高めるワークプレイス戦略」に続き、(株)ザイマックス不動産総合研究所の主任研究員・石崎真弓氏が「ハイブリッドワークで変わるオフィス市況動向とワークプレイス」をテーマに講演。
 在宅勤務制度はコロナ禍に大きく伸びたがその後頭打ちとなる一方で、サテライトオフィスの導入率がコロナ禍後に再び伸びている状況を指摘。「在宅勤務の弊害や課題について解消しようという動きの一環とみられる」(石崎氏)と指摘した。また、若年層ではフレキシブルな働き方を希望する人が増え「ハイブリット勤務ができない会社では働きたくないという人が増えているため、フレキシブルな働き方を整備・表明する企業が増えている」と紹介した。
 最後は、サードプレイスの選択肢により生産性向上といった影響が期待され、さらにさまざまな不動産アセットタイプにワークプレイスが広がることで、市場活性化が期待できる」と締めくくった。


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