不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

横浜にガントリークレーンがシンボルの物流施設/ESR

「ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター2」外観。もともと敷地内にあったガントリークレーンを保存・改修し、施設のシンボルとした
倉庫スペース。梁には1期施設と同様、日本では珍しいトルコ製のプレストレストコンクリート(PC)部材を採用した

 ESR(株)は21日、1月31日に竣工したマルチテナント型物流施設「ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター2」(横浜市金沢区)をメディアに公開した。

 東京湾に面する約33万平方メートルの計画地で推進する、物流施設4棟の開発プロジェクトの2期目。横浜横須賀道路「並木」ICより約2.5km、首都高速道路湾岸線「杉田」ICより約3kmに立地。横浜環状南線(「戸塚」IC~「栄」IC~「釜利谷」IC)が開通すれば、東名港道路ほか主要幹線道路へのアクセスが格段に向上する見込み。金沢シーサイドライン「並木北」駅より徒歩10分と雇用確保の面にも優れる。敷地面積約9万282平方メートル、延床面積約19万5,374平方メートル、プレキャスト・プレストレストコンクリート造免震構造地上4階建て。

 倉庫スペースは、床荷重を1階2.0t/平方メートル、2~4階1.5t/平方メートルを確保し、全階で.5tのフォークリフトの利用に対応。梁下有効高は1~3階5.5m、4階5.5~6.4m、柱スパンは間口11m×奥行11.1m。中央車路は上り下りのランプウェイを結ぶ一方通行とし、トラックバースは各階50台を確保した。荷物用エレベーターは各階最大10基、垂直搬送機は最大12基まで設置可能。最小賃貸区画面積は約920坪。

 ワーカーの働きやすさに配慮し、多様な共用施設も用意。1階に託児所「BARNKLUBB(バーンクラブ)」、3~4階に従業員専用の休憩ラウンジ「KLUBB Lounge(クラブラウンジ)」および弁当・飲み物の販売スペース「KLUBB Shop(クラブショップ)」、屋上にはバーベキューコンロ等を備えた「KLUBB Skydeck(クラブスカイデッキ)」を設置した。同社初の試みとして、4階にマシンジム型フィットネス「KLUBB Fitness(クラブフィットネス)」も導入。同じ階に用意したシャワー室と共にワーカーに無料で提供する。その他、女性用パウダールーム、コインランドリー、ワークブース、ドライバー専用の休憩室なども設けた。

 全館LED照明、環境配慮型照明システムを導入し、外壁には断熱性の高い金属サンドイッチパネルを採用。屋上には太陽光パネルを敷設し、5MW規模の自家消費型太陽光発電所を稼働させる計画。これらの取り組みで、同施設は「CASBEE」Aランク、「BELS」最高位5スター、ZEB(太陽光含め173%削減)認証を取得している。BCP対策として、非常用自家発電機を備えたほか、ハザードマップの想定津波高を上回る倉庫床レベルも確保した。

 また、敷地南部にあるガントリークレーン(コンテナ貨物を積み下ろすための巨大なクレーン)を“産業遺産”と捉え、施設のシンボルとして保存・改修。今後、照明デザイナーによるライトアップ、プロジェクションマッピング等の演出も検討する。

 リーシングの状況については、2022年1月に竣工した「ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター1」はすでに8割程度が入居済み。今回竣工した「2」は、これからリーシング活動を行なっていく。23年度内には3期目の施設が竣工する予定。

「KLUBB Lounge」(4階)。壁面に鏡を張り空間に奥行きがあるように見せる工夫も
託児所「BARNKLUBB」(1階)。20人程度の預かりを想定
「KLUBB Fitness」(4階)。フィットネス機器だけでなくダンベルの種類(重さ)も豊富。従業員に無料で提供する


最新刊のお知らせ

2024年5月号

住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには? ご購読はこちら