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全日、「未来の住まい・都市像」で意見交換

座談会の様子

 (公社)全日本不動産協会は27日、東京都千代田区の全日会館で大阪・関西万博関連イベント「ミライREBORNスマイプロジェクト」の審査員座談会を開催した。

 同プロジェクトは、「健康」という観点から2050年以降の都市生活を捉え、「未来のウェル・ビーイングな住宅・住生活・コミュニティ」を提案する3D映像(60秒以内・mp4形式)で公募。学生・一般部門と建築家・デザイナーの2部門を用意し、アマチュアからプロフェッショナルまで幅広く作品を募集する。入賞作品は、さらにブラッシュアップし、大阪府と大阪市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオンNest for Reborn」においてリアル・バーチャルの両面で展示する計画。全日は同パビリオンの出展参加者・スペシャルパートナーとなっている。

 1月12日より応募登録がスタートしているが、今回の座談会は募集を広くPRするため、キックオフの意味合いで実施。審査員のうち建築・都市関係の専門家として重松象平氏(OMAニューヨーク代表)、中川エリカ氏((株)中川エリカ建築設計事務所代表)、秋吉浩気氏(VUILD(株)CEO)、内田友紀氏((株)リ・パブリックシニアディレクター)の4人が意見交換。同席した審査委員長の樋口真嗣氏(映画監督)、赤井孝美氏(米子ガイアックス(株)代表取締役)も映像の専門家として意見を述べた。

 建築関係の審査員が、自らの取り組みや問題意識について自己紹介した後に意見交換。これからの都市像については、「かつては地方都市も大都市を目指してきたが、近年は独自性を追い求めることを重視している。その結果、都市の魅力が高まってきた。今、若い人は都市居住からQOL重視に変わってきている」(重松氏)、「若い世代は血縁を含めた『家』への考え方が従来とは変わってきている。共助の在り方が変わっていくのかもしれない」(中川氏)などの声が挙がった。

 どのような応募が集まってほしいかという話題では「いろいろな分野・職種の人たちと組んで作品をつくりあげてほしい」(内田氏)、「応募者がこれまで何を信じて探求してきたかを盛り込んだ希望の持てる未来像を示してほしい」(秋吉氏)といった意見が交わされた。

 映像の専門家である樋口と赤井氏は、「建築分野の皆さんの意見を聞き、映像の世界で生きる者として非常に刺激を受けた。一緒に仕事できることがありがたい」(樋口氏)などとコメントした。

 同コンペは5月10日まで応募登録、応募受付は6月12日~8月10日、9月をめどに入賞作品が決定される。各部門の最優秀賞には賞金200万円が授与される。賞金総額は1,000万円。建築、不動産、ソフトウェア関係の業界からも審査員が参加する。


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