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一条工務店、耐水害住宅で日本建築学会賞受賞

豪雨を再現した大規模な浸水試験システム

 (株)一条工務店は24日、同社が開発した「浸水試験システムで実証した水災から暮らしと財産を守る耐水害住宅」が、「2023年日本建築学会賞(技術)」を受賞したと発表した。同学会賞の技術賞を住宅メーカーが受賞するのは02年の創設以来初。

 同社の耐水害住宅は、居住空間に影響を与えず、水害による浸水・逆流・水没・浮力に対して対応策を施した住宅。約3,000tの水を使い豪雨を再現した大規模な浸水試験システムを構築。開発技術の高度化と性能保証に役立てることで、実用化に至ったプロセスも含めて高く評価された。23年3月末時点の申し込み棟数は約2,100棟。

 建物本体だけでなくサッシ等の開口部の水密性の向上、水の浸入・逆流を防ぐ特殊弁などの対策を実施。外部の電気設備は、本体や稼働に関わる部品を水没から免れる高さに設置し、水害後も電気や給水などのライフラインを確保。浮力対策では、一定の水位に達した際に「床下注水ダクト」で水をあえて床下に入れて重りにすることで浮上を防ぐ「スタンダードタイプ」、浮力に逆らわずに安全に建物を水に浮かせ「係留装置」で元の位置に戻す「浮上タイプ」の2つの仕様を開発した。太陽光・蓄電池を搭載することで電気の自給自足も可能とした。


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