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リビタ、都心での「100平米リノベ」に注力

芦沢啓治氏が手掛けた住戸。カリモク家具が芦沢氏のイメージに合う家具を製作。建具類を含めケヤキ材を多用。インテリアの色合いも統一している
木製の内窓を設置。断熱補強を施すことでZEHーMOriented水準の省エネ性を実現した

 (株)リビタは、「R100 tokyo」のブランド名で展開している東京都心部での専有面積100平方メートルを超えるリノベーションマンションの販売に注力していく。30日、NTT都市開発(株)との共同事業となる「オパス有栖川」(東京都港区)内の2戸を報道陣に公開した。

 同ブランドは2013年から展開しているもの。東京都心5区の邸宅街にある低中層マンションの専有面積100平方メートル超の住戸をベースに、顧客のオーダーメイドやインテリアを含めた空間のトータルコーディネイトで差別化し、販売実績を重ねてきた。これまでの供給実績は、1棟リノベーション、区分リノベーション合わせて327戸。販売物件の35%が120平方メートル以上、22%が販売価格2億~5億円台、5%が5億円以上。会員組織も6,300名が登録している。

 「オパス有栖川」は、東京メトロ日比谷線「広尾」駅徒歩7分に立地。鉄筋コンクリート造地上11階建て。新築時の売主は住友商事(株)で、04年2月竣工。総戸数は100戸で、賃貸住宅の「レジデンス棟」が40戸、分譲住宅の「テラス棟」が59戸。NTT都市開発とともにこれまで30戸超を取得し、リノベーション後販売してきた。今回公開したのは最終販売となる2戸で、いずれも専有面積200平方メートル超。建築家・インテリアデザイナーと協働し、空間全体をコーディネイトしているのが特長。

 建築家の芦沢啓治氏が設計デザインを担当した住戸(専有面積226平方メートル、3LDK)は、フルスケルトンにした上で断熱材を床・壁・天井に施工。さらに、木製の内窓を取り付けたことで、ZEH‐M Oriented水準の省エネ性能を確保した。同氏のデザインに基づき、カリモク家具がケヤキ材の家具を設置。キッチンや収納の天板やフローリング等もケヤキ材等の無垢材を使用し、空間の一体感を出している。すでに売却済み。

 ケース・リアルの二俣公一氏が設計デザイン、インテリアコーディネイト・家具製作をE&Yが手掛けた住戸(専有面積210平方メートル、2LDK+WIC)は、自然に由来する「土」を連想するインテリアカラーを実現するため、壁や天井を左官仕上げとし、さらに手で磨きをかけている。また、86平方メートルのルーフバルコニーに面する幅広のサッシを生かし、開口部に窓台を設置してバルコニーと室内空間とをつなぎ、新たに設置したスモークガラスの内窓で外部とのつながりや光の加減を調整できるようにした。現在10億5,000万円で販売中。

 同ブランドでは、30~40歳代、IT系等の起業家、合理性を重視し、豪華・華美など従来の富裕層の価値観と異なる価値観を持つ「ニューラグジュアリー」層を中心に販売を進めていく方針。また、近年はインバウンドの購入が全体の2割に達しており、総額5億円以上の物件への引き合いが強いことから、それらの仕入れにも力を入れる。

二俣公一氏が設計デザインを手掛けた住戸は、80平方メートルを超えるルーフバルコニーを持つペントハウスの魅力を引き出すため、サッシ開口部に窓台を設けバルコニーと室内空間とを一体化。室内はグレーの左官仕上げ


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