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首都圏マンション、新築から10年で約4割値上がり

 (株)東京カンテイは7日、2023年の首都圏における「築10年既存マンションのリセールバリュー(RV)に関する調査」の結果を発表した。同社データベースに登録された築9~11年の分譲マンションのうち、23年に既存マンションとして流通した事例を抽出し、新築分譲価格と流通価格とを比較した。

 首都圏でRVが算出可能だった駅は445駅でRVの平均値は139.5%となった。対象物件の分譲当時は東日本大震災後の市場回復期に入ったばかりで、価格上昇局面に入って間もない時期。そのため、新築マンションの販売価格は直近に比べてかなり割安感が強かったこともあり、近年の新築・既存マンションの急激な価格上昇がRVに大きく影響した。

 445駅中、RVが100%以上になったのは437駅で、98.2%の駅で新築分譲時よりも資産価値が向上している。特に、RVが150%以上になったのは全体の27.2%に当たる121駅。RVが低下した8駅は、すべて低下幅が1割以内にとどまっている。

 調査対象となった駅で最もRVが高かったのは東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅の295.5%と、築10年で3倍近くまで価格が上昇していた。新築時の平均坪単価424万8,000円に対して、築10年流通坪単価は1255万2,000円。ただし、対象となった事例は駅近の大規模タワーマンションからの流通物件で、所在階もすべて20階以上だったことから、実態よりも上振れした可能性もある。次いで、東京メトロ南北線の「六本木一丁目」駅が265.7%(新築時479万6,000円、流通時1,274万2,000円)、JR総武線「飯田橋」駅が223.1%(同393万8,000円、同878.4万円)となった。上位30駅は、すべて東京23区の駅で、東京23区以外の駅で最も上位だったのはJR横浜線「新横浜」駅の163.2%・64位だった。

 また、竣工から10年間賃貸運用した後に売却した場合の差益を試算。最も差益が大きかったのはRVで2位の「六本木一丁目」駅で、1坪当たり1,075万円の差益があった。1坪当たりの10年間の運用益が280万4,000円、1坪当たりの売却益は794万6,000円、年間利回りに換算すると22.41%に相当する。


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