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都市総合ランキング、東京は3年連続4位/森記念財団 都市戦略研究所調査

 (財)森記念財団 都市戦略研究所(所長:竹中平蔵氏)はこのほど、都市総合ランキング「Global Power City Index-2010」(GPCI)を発表した。世界の主要35都市を選定し、都市の力を表す、「経済」、「研究・開発」、「交流・文化」、「居住」、「環境」、「交通・アクセ ス」の6分野と、現代の都市活動を牽引する「経営者」、「研究者」、「アーティスト」、「観光客」のグローバルアクター、都市の「生活者」の 5つのアクターの視点にもとづき、その総合力を評価したもの。

 10年の分野別ランキングは、1位がニューヨーク、2位がロンドン、3位がパリ、東京は4位。08年の同ランキングの発表開始以来、3年連続で同様の結果となった。

 09年との比較では、カイロを除くすべての都市がスコアを落としたが、下落幅はトップ4都市よりも5位以下が大きく、格差が拡大する結果となった。ランキングの変動を見ると、上昇している都市は、欧州や北米と比較してアジア諸都市の割合が高く、躍進が目立った。東京と上位3都市とのスコア差は年々縮まっている。

 分野別でみると、東京は、09年に続き、経済、環境ともにトップ5にランクイン。アクター別では、東京は「経営者」の視点からの評価がやや低く5位で、アジアではシンガポール(3位)と香港(4位)に抜かれ、上海(6位)や北京(8位)に肉薄されている。

 東京とアジア主要都市(シンガポール、ソウル、香港、北京、上海)を比較すると、東京は、「経済」、「研究・開発」の分野で優位性があるものの、「文化・交流」、「交通アクセス」の分野では、優位性は大きくないことがわかった。

 トップ3との比較では、東京は突出した指標が圧倒的に少なく、指標グループ別では、「市場の魅力」、「経済集積」、「研究環境」、「買い物と食事」などで大きな強みを発揮。一方、「法規制・リスク」、「住居コスト」、「自然環境」、「国際交通インフラ」は対象35都市の中でも平均以下となった。


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