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「クラウド型物件情報システム」、今年9月にも試験稼働へ/東京都不動産協同組合

システム開発にかかる契約書を取り交わす、(社)東京都宅地建物取引業協会会長・池田行雄氏(左から2番目)と(株)セールスフォース・ドットコム執行役員・福田康隆氏(同3番目)

 (社)東京都宅地建物取引業協会(会長:池田行雄氏)の会員で構成される東京都不動産協同組合は、会員向けの新たな物件情報システム(仮称:新ハトマークネット)を、今年9月にも試験稼働させる。2月28日、企業へのクラウドコンピューティング導入で定評のある(株)セールスフォース・ドットコム(東京都港区、代表取締役社長:宇陀栄次氏)とシステム開発にかかる調印を行なった。

 現在、同組合が運営する物件情報システム「ハトマークネット」が、会員・ユーザーの使い勝手や反響率などで見劣りするようになってきていることから、(1)消費者ニーズに即した情報提供、(2)将来のニーズに即応できるシステム、(3)反響率の向上、などを目的に新システムを立ち上げるもの。新システムは、リニューアル等に多額の費用を伴う「サーバー型」ではなく、会員・ユーザーや時代のニーズに合ったサービスを随時ネットワーク上から入手する「クラウド型」で構築。物件検索サイト機能だけでなく、賃貸物件管理システムや顧客管理機能なども持たせる予定。システム開発費は、約3,200万円。

 システム構築にあたっては、同組合内に4つのワーキンググループを設置。今後、3、4ヵ月かけて具体的なシステム構築を行ない、会員への研修を経て9月にも試験稼働させる予定。物件情報の信頼性を担保するため、登録物件は、組合会員の自社管理物件に限定。現システムについても、新システムの効果測定と、会員の操作習熟が確認できるまで併行して運用する。また、運用が安定後、現システムを共同利用する(社)埼玉県宅地建物取引業協会や(社)千葉県宅地建物取引業協会にも、利用を打診する。

 調印式の後会見した池田会長は、「(新システムは)反響をしっかり取れるサイト、そして信頼性のあるサイトとするのが目標。だから、組合会員が物件内容に責任が持て、中身の濃い自社物件しか登録させない。こうした物件を集約することで、賃貸市場の精確なマーケティングも可能となる。(利用料金については)具体的な効果が明らかになるまでは無料としたいが、ただいま研究中である」などと語った。


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