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「囲い込み」解消やインスペクション活用など8つの提言示す/自民・中古住宅市場活性化小委員会

 自由民主党政務調査会・住宅土地・都市政策調査会の中古住宅市場活性化小委員会(委員長:鶴保庸介参議院議員)は26日、中古住宅市場活性化に向けた提言をまとめた。欧米に比べ市場が小さいわが国の中古住宅市場の課題を抽出。市場拡大のため必要な改革を8つの提言としてまとめたもの。今後の中古住宅流通業界の政策に反映する。

 提言は、(1)「囲い込み」の解消に向けたレインズルールの抜本的改善、(2)インスペクション等の活用促進による情報の非対称性解消に向けた新たな取引ルールの構築、(3)長期優良住宅の普及、一般住宅のリフォーム履歴等の保存・活用、(4)担保評価を含む「20年で一律価値ゼロ」とみなす市場慣行の抜本的改善、(5)中古マンションの管理情報の開示、(6)不動産総合データベースの構築、(7)新たなビジネスモデルとその環境整備、(8)増大する空き家の市場での流通・活用の促進。

 顧客から不動産の売却を依頼されながら、仲介会社への紹介を拒否するいわゆる「囲い込み」については、業者間情報「レインズ」の物件情報を、売主に一定の条件のもと営業情報等を開示する「ステータス管理」をレインズシステムに導入する。また、違反者への処分・罰則も強化を検討する。

 インスペクションについては、さらなる普及を図る一方で、インスペクションの実施、瑕疵保険の加入の有無等については、重要事項説明に追加するよう宅建業法の改正を行なう、リフォーム履歴の開示や買い主がインスペクションを入れて確認できるよう位置付けた標準契約書を作成するなど、インスペクションを中古取引の一環として位置付ける。

 また、新築だけでなく中古住宅についても長期優良住宅認定制度を創設し、中古住宅の評価については、建物性能やリフォームの状況を耐用年数に適切に反映するなど査定の見直しを行なうとした。


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