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9割以上の住宅が「現行の耐震性を満たしていない」/木耐協調査

 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)は10日、耐震診断結果の調査データを公表した。2006年4月1日~15年12月31日までに木耐協が行なった耐震診断のうち1950年~00年5月までに着工された木造在来工法、2階建て以下の建物2万3,257棟を対象に、「倒壊しない」「一応倒壊しない」「倒壊する可能性がある」「倒壊する可能性が高い」の4段階で集計した。

 震度6強クラスの地震が発生した場合、「倒壊しない」という診断結果になったのは278件で全体の1.20%。「一応倒壊しない」が1,539件・6.62%だった。一方、「倒壊する可能性がある」が3,747件・16.11%、「倒壊する可能性が高い」が1万7,693件・76.08%となり、計9割以上の住宅が現行の耐震性を満たしていないことが分かった。
 
 80年以前の旧耐震基準建物と、81年以降の新耐震基準建物とで分けてみると、旧耐震基準建物では「倒壊する可能性がある」が10.71%、「倒壊する可能性が高い」が87.54%で、約88%の建物で耐震性に問題があるという結果に。新耐震基準建物では、「倒壊する可能性がある」が21.46%、「倒壊する可能性が高い」が64.74%と、約65%の住宅の耐震性に問題があった。

 また、85%以上が「巨大地震が発生する」と考えており、地震発生への意識は高い状態を保っている。しかし、「自分が巨大地震に遭う」と考えているのは約7割で、その意識は低下傾向にあることが分かった。

 木耐協は、耐震化率向上に向け「巨大地震に対する当事者意識を高めること」「補強工事に踏み出しやすい環境づくり」が必要であるとしている。


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