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企業のBCP策定率、15%台にとどまる/TDB調査

 (株)帝国データバンク(TDB)はこのほど、「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査」結果を発表した。
 
 地震や台風・豪雨などの自然災害や、大火災、テロなどの緊急事態時に事業を継続するための対応措置などに対する企業の見解について調査した。調査期間は2016年6月1日~7月30日。調査対象は、全国2万3,606社で有効回答数は1万471社。

 「普段意識する災害」については、“地震”が51.8%と過半数。“火災”(19.5%)“水害”(7.7%)が続いた。都道府県別にみると、“高知県”(80.0%)が最も高く、次いで“静岡県”(71.6%)“和歌山県”(70.2%)“愛媛県”(66.1%)“東京都”(65.4%)と、東南海・南海トラフ地震や東海地震、首都圏直下地震などの大規模地震が想定されている地域で高い傾向となった。
 
 「BCPの策定状況」については、“策定している”が15.5%にとどまった。また、“現在、策定中”(8.3%)と“策定を検討している”(22.7%)を併せても半数に満たず、事業継続計画の策定が進んでいない実態が浮き彫りとなった。
 「策定している」企業を業界別にみると、“金融”が最も高く44.9%。次いで“農・林・水産”が22.4%と2割を超え、“不動産”は10.1%にとどまった。また、従業員の少ない企業ほど策定が進んでおらず、策定している割合でみると従業員数“5人以下”と“1,000人超”では10倍以上の開きがあった。

 災害時における人的資源への対策については、自社で経営者(代表)が不測の事態で不在となった場合、代わりとなる人物が“いる”企業は63.7%だった。ただし、従業員“5人以下”では42.9%にとどまり、経営者が不足の事態に陥る音が企業の存続問題につながりやすい状況であることが分かった。


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