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常盤橋街区再開発、新築工事初弾を着工

下水ポンプ場完成予想図
建物は東京都下水道局が所有。
地下部分に、日本ビル地下にある下水ポンプ場を移設し、
地上部分は同局のオフィスとなる

 三菱地所(株)は17日、「東京」駅日本橋口前の大規模複合再開発「常盤橋街区再開発プロジェクト」(東京都千代田区)の新築工事第1弾となる下水ポンプ場(D棟)を着工した。

 同プロジェクトは、総面積約3.1haに10年がかりで4つの建物を新築するというビッグプロジェクト。従前の「日本ビル」「JXビル」は、国内初の特定街区として、東京都の下水ポンプ場、変電所、周辺ビルへの送電を行なう特高電気室などが一体開発されているため、これら施設の更新が容易に行なえるよう、新たに建設するビルとの一体化を解消する。

 新築工事にあたっては、既存の「日本ビル」の北側(約3,800平方メートル)を解体。地上9階建て地下3階建て、延床面積約3万平方メートルのビルを建設。建物は東京都下水道局が所有。地下部分に、日本ビル地下にある下水ポンプ場を移設し、地上部分は同局のオフィスとなる。完成は21年末。「日本ビル」の残存建物は改修し、2017年6月~22年度にわたり賃貸ビルとして利用する。また、解体部にあった特高電気室も、残存部に移設する。

 インフラ移設の影響を受けない再開発ビル(A棟、地上37階地下5階建て、高さ230m)については、18年1月に着工。21年度上期完成の予定。「日本ビル」跡地に建設する地上61階地下5階建て、高さ約390m、日本最高層のビル(B棟)については、下水ポンプ場が完成する22年度を待って既存ビルを解体し、23年度着工。27年度完成予定。また、変電所や首都高速道路と直結する地下駐車場(C棟)は、18年1月着工。27年度完成予定。

 地鎮祭の後会見した同社常盤橋開発部長の平井幹人氏は「このプロジェクトは、都市再生を牽引し国際競争力へ寄与すること、そして東京都心のインフラ更新という2つの目的がある。常盤橋の常盤は永久不変の意味がある。『日本ビル』は、1964年の竣工時東洋一と謳われた。全体が完成する27年には世界一のまちとしたい。これから着工する2つの超高層ビルは、ゆるぎない東京のシンボルとして、時代の変化に合わせ最新のテクノロジーを導入して、使う人の最大限の時間価値を引き出したい」と抱負を述べた。

下水ポンプ場建設地。
「日本ビル」の建物の一部を解体し、敷地をねん出した。
写真奥の「日本ビル」は耐震補強などの改修を行なったうえで、
6月からオフィスとして再び貸し出す


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