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ナイス、弥生台で独自工法の木造福祉施設

「(仮称)ぴぐれっと1新築計画」外観
テクノビーム梁が渡された2階。約40平方メートルを無柱空間としている

 ナイス(株)は5日、テクノストラクチャー工法による福祉施設「(仮称)ぴぐれっと1新築計画」(横浜市泉区)の上棟に伴い、主要構造部を関係者等に公開した。

 「テクノストラクチャー工法」は、木造軸組の横梁をパナソニック製の鉄骨梁(テクノビーム)とすることで、高い耐震性を維持しながら、最大10mスパンの大空間施工を可能とする。木造プレカット工法による短工期、少人数施工が可能で、混構造ではなく木造に分類されるため、減価償却や税制面でも有利となる。耐火建築や準耐火建築での施工も可能なため、非住宅建物としても利用できる。

 「(仮称)ぴぐれっと1新築計画」は、相鉄いずみ野線「弥生台」駅徒歩3分に立地。木造2階建て、建築面積218平方メートル、延床面積377平方メートル。2階に長さ6.8mのテクノビームを2本使うことで、約40平方メートルの多目的室の無柱化を実現した。また、250mmの段差を持つテクノビームを建物外に伸ばすことで、避難廊下を支持柱なし、2階床との段差なしで構築した。建築費も、鉄筋コンクリート造の約3割減に抑えているという。

 すてきナイスグループは2015年、建設事業本部内に木構造事業部を新設。商業施設やアパート、保育園、高齢者施設といった大型の木造建築物の受注(構造設計・施工)活動を強化してきた。「木造ゼネコン」を商標登録し、設計から部材供給、施工までグループのリソースを使い、同社独自の「パワービルド工法」や「テクノストラクチャー工法」により、コストやプランで差別化している。

 同日会見した同社代表取締役社長の日暮 清氏は「非住宅の木造建築物は新たなビジネスとして成長すると見込んで、3年前から本格的に取り組んできたことで、受注が伸びている。これだけ鉄骨が使われていても木造の優遇措置は全て使えるし、職人も確保できる。環境にも人にもやさしい木造建築物を、住宅だけでなく住宅以外の建築物にも広めていきたい」と抱負を述べた。

建物北側は斜線制限を受けるため傾斜屋根となる。可能な限り窓高さと天井高を確保するため、テクノビームの梁高を徐々に低くしている


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