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国土管理専門委、管理継続困難地テーマに議論

 国土交通省は10日、国土審議会計画推進部会「第9回国土管理専門委員会」(委員長:長岡技術科学大学副学長・中出文平氏)を開催した。

 同委員会は2016年9月より、国土形成計画の推進に関し、人口減少下における持続可能な国土の利用・管理を推進するための施策のあり方について議論。9回目となる今回より新たなテーマとして、適切な管理を続けることが困難な土地のあり方について検討を開始した。

 1回目の会合では、「適切な管理のあり方についての検討方針(案)」を提示。今後の検討方針として、「管理が困難な土地を(1)宅地、(2)農地、(3)森林、(4)その他原野等に分類し、議論を行なう」「議論の対象とするエリアは、適切な管理がなされておらず、その利活用が困難な土地が存在する集落とし、平野部、山間部、沿岸部の集落(人口密度、人口増減率別)を対象に事例調査・検討を行ない、議論を行なう」ことが示された。

 委員からは、対象エリアや事例調査方針について「“管理”が何を指すか。定義しないと管理水準も設定できない」「事例調査で調査する“外部不経済の影響の深刻度、影響範囲の大きさ”はその地域が何に価値を見出すかにより結果やスケール感が変わる。その地域ごとにどうしていくかという視点も必要」「土地の分類は単純化すればすべて同じ基準で判断できるとは限らない」「管理が困難という判断基準を明確にするのは難しい。“これまで通りの管理ができない” “絶対放っておいたらまずい”“おそらく大丈夫”といった大枠でもいいのでは」などの意見が出された。

 今後、3回にわたり適切な管理が困難な土地で生じる外部不経済を調査した上で、それらに応じた適切な管理のあり方を検討・提案。現地視察を含めた地方での会議開催も予定する。13回目の会合で、19年とりまとめおよび3ヵ年の全体とりまとめを行なう。


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