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都鑑定協、「都市と不動産」テーマに講演会

講演会の様子

 (公社)東京都不動産鑑定士協会は30日、イイノホール(東京都千代田区)で2018年度の秋の講演会「都市と不動産を考える」を開催。同協会会員など約400人が集まった。

 講演会では、東京大学名誉教授・(一財)国土計画協会会長の伊藤 滋氏が「東京のこれから-2040年を目指して-」をテーマに、今後の東京の都市計画のあり方について持論を展開した。同氏は今後の都市戦略として、「国際競争力」「安全・環境」「品格・居住」「歴史・文化」の4つを重要な要素とし、それらを進展させるいくつかの戦術を挙げた。品格・居住の面では、「都市計画制度がいくつもあり、制度ごとの違いも分かりづらい。それを整理・削減することで、都市の居住環境が良くなり、品格も上がる」と指摘。歴史・文化の面では、「日本の伝統ある建物が並ぶ地域では、相続税の削減を実施すべき。そうすれば敷地分割も起きにくく、まち並みの保全につながるはず」とした。そのほかにも、介護生活圏の設定、臨海部の再編などについて、今後の都市計画の展望を述べた。

 このほか、同協会理事・地価調査委員会委員長の浜田哲司氏による、18年度の東京都地価調査の概説や、同協会理事・相談事業委員長の佐藤 麗司朗氏による6月の大阪北部地震と、平成30年7月豪雨の被災地支援活動報告が行なわれた。

講演を行なう、東京大学名誉教授・(一財)国土計画協会会長の伊藤 滋氏


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