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国土審、「国土の長期展望」検討へ専門委

 国土交通省の諮問機関である国土審議会(会長:奥野信宏氏=(公財)名古屋まちづくり公社上席顧問・名古屋都市センター長・元名古屋大学副総長)は7日、22回目となる会合を開催。計画推進部会と各専門委員会からの報告と、所有者不明土地に関する対応等について報告を受けた。

 会合では、稼げる国土専門委員会、住み続けられる国土専門委員会、スーパー・メガリージョン構想検討会がそれぞれ最終とりまとめについて報告。また、所有者不明土地問題について特別部会のとりまとめも報告された。

 また、最終とりまとめの完了した計画推進部会の稼げる国土専門委員会と住み続けられる国土専門委員会を廃止し、新たに「国土の長期展望専門委員会」を設置することが報告された。同委員会では、人口減少や高齢化、環境問題といった「メガトレンド」と、AI・IoT化の進展、巨大災害の発生、外国人人口の増加などの「非連続な変化」を踏まえ、「2050年までの国土の姿」を描き出し、将来の課題を整理し、その解決法策を検討する。19年度は、50年までの国土の姿を描き、長期的な課題を整理。20年度は、課題の解決方策について検討する。

 報告を受けた委員からは「東京一極集中のリスクは昭和の時代から指摘されてきた。首都移転が立ち消えとなったいま、別の形で地方を潤す大胆な政策が必要だ」「土地が管理されなくなると災害リスクが高まる。人が来て居住するということが大事」「人口ボーナスを期待しない、現状に見合った長期展望を描くべき」「一世帯に家はひとつ、毎日会社に行って仕事をするといった固定観念を捨てた議論が必要」などの意見が挙がった。


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