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コンパクトシティのあり方を議論/JARES

パネルディスカッションの様子

 (公社)日本不動産学会(JARES)は20日、シンポジウム「コンパクトシティの行方~都市の消失を止められるのか・様々な視点から見たコンパクトシティ~」をすまい・るホール(東京都文京区)で開催した。

 行政や大学などの有識者が登壇し、コンパクトシティ政策のあり方や課題について講演したほか、パネルディスカッションを行なった。

 国土交通省都市局長の北村知久氏は施行から5年が経過した改正都市再生特別措置法の立地適正化計画を振り返り、「核となるエリアの魅力付けや、中心部以外での開発の見直しを行ない、市街化拡散を抑制する等の課題がある」と指摘。また、居住誘導区域と、災害特別警戒区域が重なる地域が散見されるとし、「日本は川・山が多いため、単純に危険なエリアを居住誘導区域から外すという選択はできない。都市の状況を見て、対応していく必要がある」などと話した。

 パネルディスカッションでは、「コンパクトシティを進めるエリア単位」について「アメリカでは学校単位の自治体、ダム単位の自治体など、目的に合わせて自治体が定められる。日本もコンパクトシティを作るための自治体を定めては」という指摘があると、行政側からは「臨機応変なチームでコンパクトシティが進められるよう、検討する必要がある」との意見が挙がった。「中心部への転居サポート」については、「インセンティブを与えて、促進していくべき」という声が挙がった一方、「引っ越しによりリロケーションダメージを受ける危険性があることから、現在の住まいに留まることを選ぶ人もいると思う。その人たちも守る必要がある」という意見もあった。


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