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東大の講堂をリノベ。設計施工を寄付/長谷工

「HASEKO-KUMA HALL」のホール部分

 (株)長谷工コーポレーションは、リノベーション設計施工を寄付した東京大学工学部11号館「HASEKO-KUMA HALL」(東京都文京区)を竣工。30日、マスコミに公開した。

 同館1・2階のうち「講堂」と「ラウンジ」をリノベーションし、一部エントランス周りの改修も実施。設計は、同大学大学院工学系研究科建築学専攻教授の隈 研吾氏と共同で手掛けた。1969年築、改修部分の延床面積687.47平方メートル(講堂:233平方メートル、ラウンジ:1~2階で174平方メートル)。工期は3月1日~12月27日で工事費は約3億円。

 ホール(講堂)は、最新の工学系講義に使用できるよう、どの位置からもクリアに見えるプロジェクターの配置や音響性能など、ホールとしての基本性能向上を重視して設計。床の高さを50~60cm上げることで、階段状の座席の勾配を緩やかにし、座席間隔を取ることで動きやすい動線も確保した。

 また、同施設は学内の講義のほか、シンポジウムや学術イベントなど、一般利用も可能なホールとするため、地域の人々にも親しみやすい場とするよう木を生かしたデザインを採用。鳥の巣がさまざまな鳥を育てはぐくむように「知恵の巣箱-nest of wisdom」と名付けた木の箱を、ホールとラウンジ合わせて全76個設置した。これら木の箱は、双方の場をデザイン的につなげ、ホールでは音響の性能を向上させる役割を、ラウンジでは、工学系研究科の多様な研究を中心に紹介する展示ケースの役割を持たせている。

 記者会見で、長谷工コーポレーション取締役専務執行役員の池上一夫氏は「当社は設計職や施工管理職において、優秀な学生の皆さんに多数入社いただいており、未来を担う優秀な理工系学生のために応援活動を積極的に実施している。今回、学生の皆さんだけでなく、地域の方々にも貢献でき、リノベーションの実績づくりの貴重な機会になると寄付を決めた。東京大学の最先端の学術研究、教育活動を国内外に発信するシンボリックな場となることを心から祈念している」などと話した。

 また、隈氏は、「講義だけでなく交流や研究を紹介する展示の場ともなる、ホール・ラウンジ・ミュージアムの3つの機能を持たせた。これからの大学のキャンパスには多様性のあるスペースが求められている。そういうものをつくることができたと思っている」などと抱負を述べた。

従前の講堂
木の箱でホールとのつながりをデザインしたラウンジには壁面スクリーンも設置


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