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コロナの影響、取引数に底打ちの兆し

 大和不動産鑑定(株)は11日、「新型コロナウイルス感染拡大の不動産市場への影響」についてのレポート(第四報)の中で、「不動産取引と景況感に底打ちの兆しがある」とした。

 レポートでは、不動産取引の先行指標である同社への不動産鑑定の問い合わせ件数を、感染拡大前を100として指数化した。3月15~28日が42、3月29日~4月11日が32、4月12~25日が37とおおむね6割減程度で推移。大型連休期間となる4月26日~5月9日には22まで減少したが、5月10~23日は41となった。

 さらに、全国で緊急事態宣言が解除となった5月24日の週以降急回復。5月24日~6月6日の指数は71となった。同社では、6月19日以降は都道府県間移動が解禁されるため、徐々に市況および不動産投資のセンチメントが回復に向かうと見込む。

 また、問い合わせのアセット別構成比を感染拡大前(1月5日~3月14日)と拡大後(3月15日~6月6日)とで比較した。感染拡大後の各アセットの構成割合は、オフィスが27%(拡大前比12ポイント低下)、商業が16%(同2ポイント上昇)、レジ・寮が25%(同4ポイント上昇)、ヘルスケアが6%(同4ポイント上昇)、ホテル・旅館が5%(同9ポイント低下)、物流14%(同10ポイント上昇)と、オフィスやホテルの割合が大きく低下した。

 地域別にみると、東京都心5区は構成比24%(同9ポイント低下)。一方で、首都圏23%(同1ポイント低下)、近畿・中部13%(同2ポイント低下)、地方大都市圏3%(同5ポイント低下)、その他37%(同16ポイント上昇)。その他地域の割合が大きく上昇している。

 同社では、世界での感染者拡大や第2波・第3波の懸念はありつつも、日本国内では街角景気の回復や国内感染者数の顕著な減少などといった事象が確認できることから、「再規制と規制解除を繰り返しながら、4~5月を底に経済活動の回復が続いていく」と予測した。


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