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「実証型オフィス」で今後の働き方を検証

仕事がしやすい場所・時間が選べるABWを導入。中央に、プロジェクトに関わるメンバーが集まって議論できるスペースを配置

 (株)東急Re・デザインは1日、「これからの働き方」と「オフィスの在り方」を追求する実証型オフィス「ライブオフィス用賀」(東京都世田谷区)を報道陣に公開した。

 東急不動産グループは、東急不動産ホールディングス(株)・東急不動産(株)の新本社ビル「渋谷ソラスタ」(東京都渋谷区)を「実証型オフィス」と位置付け、2019年8月から、社員が実際に働いている姿を確認してもらいながら提案できるライブオフィス型ショールームとして活用している。「ライブオフィス用賀」は、それに続く実証型オフィス。東急Re・デザインのスペースパートナー事業ユニットが使用するオフィスをリニューアルした。

 同オフィスは、東急田園都市線「用賀」駅直結の「世田谷ビジネススクエアHillsⅠ」の2階に位置。オフィス面積902平方メートル。約200名が働いており、オフィス以外にも在宅や現場など、スタッフが業務目的に応じて最も仕事がしやすい場所・時間が選べるようABW(Activity Based Working)を導入。オフィスは最大40%の出社率と定め、「コミュニケーション」をキーワードに、各所につながりを促進するアイディアを盛り込んでいる。改修費は什器含め1億5,000万円(坪当たり約55万円)。

 「渋谷ソラスタ」が従業員500人規模以上の大規模オフィスを対象としているのに対し、「用賀」では200人程度の中規模オフィスを対象としているのが特徴。オフィスの中央には、プロジェクトに関わるメンバーが集まって議論しやすい「プロジェクトワーク」スペースを配置。その周辺には仕事に集中できる「ソロワーク」スペースも用意した。Webミーティングの活用が加速していることから、1~4名用までシチュエーションに合わせて選択でき、パソコンがなくても利用できるWebミーティング専用スペースも設置。多人数での打ち合わせに利用できる「ミーティングスペース」や、他部署のスタッフでも気軽に利用できる「コワーキングスペース」、フランクな会話が弾むカジュアルな「コミュニケーションラウンジ」、書籍や資料を集約した「ライブラリー」も用意した。

 さまざまな「Withコロナ対策」も実施。室内の空気を殺菌する装置や抗菌カーペット・クロスなどの抗ウイルス対策、可動式デスクやスタッキングチェアを用いた人口密度コントロール、顔認証や体温センサーなどの入館管理、非接触を意識した自動ドアやタッチレス水栓などを導入し、効果や使い勝手を検証していく。

 同社取締役常務執行役員ユニット長の瀧田裕之氏は「働き方改革、生産効率向上に向け、2年前から事業部全員参加で議論を重ねてきた。そこで出てきたコミュニケーション能力の向上や、効率的な時間や場所の使い方、IT設備の拡充などをキーワードに社内コンペを実施し、13案の中からいいとこ取りし、このオフィスをつくった。コロナ禍を受け、計画の見直しも迫られたが、新しいニーズが出てくれば都度対応して実証の場としていきたい」などと抱負を述べた。

Webミーティング専用スペース
仕事に集中できるソロワークスペースも用意


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