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練馬区の邸宅跡地に“歴史感じる”新築分譲

「マインドスクェア ヘリテージ光が丘 つむぎのまち」外観
中庭に面した窓を、アールデコ調のデザインで、「額縁」のような風合いに仕上げた住戸

 ポラスグループの(株)中央住宅は3日、新築分譲住宅「マインドスクェア ヘリテージ光が丘 つむぎのまち」(東京都練馬区、全9戸)を報道陣に公開した。

 敷地面積約1,000平方メートル。都営大江戸線「光が丘」駅より徒歩19分に立地。三菱財閥創業者・岩崎 弥太郎氏にもつながる実業家の各務鎌吉氏が、近代建築家・木下 益次郎氏に依頼して、昭和初期に建てた邸宅を同社が買い取り、解体した跡地で開発したもの(詳細は2月10日付のニュース参照)。10月に竣工した。

 「同地における歴史や記憶を後世につなげる」をコンセプトに設計。既存のモミジをシンボルツリーとして残す形で中庭(60.17平方メートル)を整備。旧邸宅にあった石畳など古材で仕上げた。
 なお、中庭は、面した5戸が敷地を供出している形式。地役権を設定し、対象住戸の住民で管理していく。完成より3年間は同社で管理をサポートする。

 建物は、外観に一部瓦屋根、「連子窓」を意識した縦格子を採用したほか、住戸内も珪藻土を用いた塗り壁仕上げ、国産杉材を貼り合わせた壁装飾など和の質感を出した。中庭に面した窓枠には、旧邸宅の柱等にあったアールデコ調のデザインを採用するなど、景色が楽しめよう工夫をこらした。
 また、コロナ禍でウイルスなどを室内照明が当たるだけで分解・除去する機能を取り入れたフローリング、タッチレス水栓、抗ウイルス仕様の玄関手すりなどを採用。テレワークに対応できるようワークカウンター等も設置した。

 土地面積100~128.32平方メートル、建物面積89.25~103.27平方メートル。間取りは3LDK・4LDK。2×6工法。10月10日から販売を開始。価格は5,990万~7,590万円。8戸が契約済み。購入者はファミリー層が中心。相場よりも高い価格設定であったものの、コンセプトに共感して購入した人が多かった。

 入居開始は2021年3月中旬を予定。

 同社マインドスクェア事業部取締役事業部長・金児正治氏は「今後も開発地に元々あった住宅の建材や木などを生かし、歴史を伝えるというコンセプトの開発を行なっていきたい。来年にはマンションで同様の企画を予定している」と述べた。

旧邸宅のモミジを残し、シンボルツリーとした中庭


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