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オフィス空調をAI制御。実証実験で約5割エネルギー削減

実証実験の概要

 東京建物(株)と(株)TOKAIコミュニケーションズ、(株)内田洋行は19日、オフィス空調をAIで制御する実証実験2020年7~11月に実施。消費エネルギー削減効果を確認したと発表した。

 個別空調を採用しているオフィスビルでは、ゾーンごとに空調機が設置され、人によって好みの温度に設定されるようになっている。しかし、最近は在宅勤務やテレワークの進展、フリーアドレスの導入などで、個人による空調温度設定では、多様なオフィスワーカーのニーズに即時に合わせることが難しい状況といえる。
 また、隣接する空調がそれぞれ異なる設定温度を維持しようとすると、不要な負荷が発生し、空調費用の増加等の課題が生じてしまうという問題もある。

 そこで、東京建物ビル事業本部のオフィスフロアに65個の無線センサーを設置し、それらのデータを基にAIが同フロアの39台の空調機を制御する実証実験を行なった。

 その結果、夏期については室内の利用状況の変化等によって、一時的に26度プラス・マイナス2度の目標温度帯を外れてしまう箇所が発生したケースでも、目標温度帯に速やかに復帰する等、温度ムラを解消することができた。

 また、秋期については、個人の感覚ではなく、データを基に不要な暖房を減らせたことで、同規模のオフィスビル平均と比べて消費エネルギーを約50%削減することができた。

 今後は四季を通してAIによる空調制御を実現するために、冬期から春期における実証実験の実施やオフィスの人口密度といった要素が変わった場合でも同様の効果が得られるかを検証していく予定。なお、東京建物八重洲ビル内で実証事件対象フロアの拡大も予定している。


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