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65歳以上の住み替え先、「より狭い家」が半数

 三井不動産リアルティ(株)は16日、「中高年層の住みかえ等に関する調査」結果を公表。同社が運営する「三井のリハウス」を通じ、2015年4月1日以降に不動産購入または売却をした首都圏(1都3県)在住の45歳以上・1,851人が調査対象。

 21年4月に「高年齢者雇用安定法」が一部改正され、事業主は「70歳までの就業機会の確保」が努力義務となる。同改正に伴い、何歳まで働きたいか尋ねたところ、「65歳」(33.9%)がトップに。次いで、「70歳」(24.9%)、「71歳以上」(15.3%)となり、全体の約4割(40.2%)が「70歳以降も働きたい」と回答した。

 また、調査対象のうち、持ち家を購入し、住み替えた1,126人を対象に、住み替え理由について質問。「より広い家に住みたかったため」(27.4%)がトップで、「住まいの老朽化」(15.5%)、「交通利便性の高いエリアへの住みかえ」(15.1%)と続いた。一方、65歳以上の住み替え理由は、「自身の高齢化による将来に対しての不安」(24.4%)が最も多かった。

 住み替えによる物件や住環境の変化については、住み替え時65歳未満の人の57.1%が「より広い家」に住み替えているのに対し、65歳以上の50.4%が「より狭い家」に住み替えていた。さらに部屋数も65歳未満の44.2%が「部屋数が増えた」と回答している一方、65歳以上の48.9%が「減った」と回答した。住環境についても、65歳以上の人は「総合病院など大きな病院」や「商業施設」に近い立地を選んでおり、年齢を重ねるについて家のサイズはコンパクト、住環境は生活利便性の高さを重視する傾向にあると分かった。

 また、住み替え時の貯蓄額については、平均3,336万円となった。約半数(51.8%)は2,000万円未満だった。住み替え時に資産価値(売却のしやすさ等)を意識したか尋ねると、およそ3分の2(65.9%)が「資産価値を意識した」と回答した。


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