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一般家庭の蓄電池活用した電力安定化を実証

「スマ・エコタウン 晴美台」外観

 大和ハウス工業(株)と、エリーパワー(株)、関西電力送配電(株)の3社はこのほど、エコモデルタウン「スマ・エコタウン 晴美台」(堺市南区、全65棟)内の一般家庭に設置された蓄電池を活用し、VPP(バーチャル・パワー・プラント)の実証実験を行なった。

 VPPとは、分散化された電源をIoT技術等の高度なエネルギーマネジメント技術で制御し一つの発電所のように機能させる仕組み。太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、天候などの気象条件により出力が変動するため、電源に占める再生可能エネルギー比率が高まると、系統の周波数を調整するための電源が不足し、電力品質の低下を招く恐れがある。その課題解決の一つとして、今回の実証実験が行なわれた。

 エコタウン内の住戸に設置済みのエリーパワー製の蓄電池のソフトウェアを周波数制御対応にアップデート。各戸で契約したインターネット回線を活用し、遠隔からの秒単位制御の検証を実施した。

 実験の結果、期待した成果を確認できたという。今後太陽光発電の自家消費やバックアップ用途として、すでに市場に設置された蓄電池をバージョンアップすることで、電力系統安定化に寄与できる周波数制御対応蓄電池として活用することが期待できるという。

 「スマ・エコタウン 晴美台」は、大和ハウス工業が開発したネット・ゼロ・エネルギ―タウン。全住戸に太陽光パネル、蓄電池、HEMSが備えられている。

VPP実証実験の仕組み


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