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新たな「オフィスの在り方」探る/CBRE

 シービーアールイー(株)と富士通(株)は11日、ニューノーマル時代の働き方、ワークプレイスの在り方をテーマに、オンラインセミナーを開催した。

 始めにCBREピープルディレクターの齊藤敦子氏が、「VUCA時代に適した組織とワークプレイス」をテーマに講演。「VUCA」とは、Volatility (変動性)、Uncertainty (不確実性)、Complexity (複雑性)、Ambiguity (曖昧性) の頭文字で、現在のコロナ禍をはじめ「社会やビジネスにとって未来の予測が難しくなる状況」のことを指す。
 同氏は、リモートワークの普及によって、個々人の働き方の“自律化”や“個別化”が進んでいるとした上で、「企業が社員の働き方やキャリア形成を決定・管理するのではなく、社員が自ら自己実現の方法を決められるようにサポートすることが重要だ」と述べた。その一つの手段として、多様なワークプレイスを整備することが「企業成長に欠かせない要素となる」と締め括った。

 次に、富士通総務本部ワークスタイル戦略室長の赤松光哉氏が、2021年10月に移転した新オフィス(「JR川崎タワー」(川崎市幸区))における取り組みを紹介。同オフィスでは、ゲート入退・ロッカー・複合機・食堂精算などをすべて生体認証で行なう実証実験を行なっているほか、徹底したペーパーレス化を実施し、従前比で紙利用を95%削減しているという。また各ワークスペースの利用状況を可視化したシステムやコミュニケーションツール等の導入など、 “オフィスに来なければ体験できない”さまざまな技術を導入し、付加価値を高めている。
 同氏は、「リモートワークの導入が急速に進んだことで、オフィスの在り方にも変革が求められている。リアルなオフィスでしか体験できないコンテンツを導入し、魅力的なワークプレイスを整備することが、社員の満足度の向上、果ては企業の成長につながっていく」等と語った。


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