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雑居ビルの直通階段で建基法違反が3.5%

 国土交通省は、雑居ビルへの緊急立入検査の結果を公表した。

 2021年12月17日に大阪市北区で発生したビル火災を受け、同ビルと類似の建物(階段が一つしか設置されていない雑居ビル)で優先的に検査すべきとされた1万3,080件のうち、1万87件に対して緊急立入検査を実施した。実施率は約77.1%。期間は21年12月17日から22年2月28日まで。

 その結果、竪穴区画(階段の部分、昇降機の昇降路の部分などに火炎や煙が流入することを防ぐための区画)については、建築基準法令違反が確認されたものが784件(7.8%)、不十分な維持管理状態が確認されたものが1,201件(11.9%)あり、それらのうち、是正指導を行なったものが1,553件(78.2%)、是正済みのものが230件(11.6%)だった。

 直通階段(地上などに通じる避難のための階段)については、建築基準法令違反が確認されたものが351件(3.5%)、不十分な維持管理状態が確認されたものが1,518件(15.0%)で、それらのうち、是正指導を行なったものが1,276件(68.3%)、是正済みのものが298件(15.9%)となった。

 なお、緊急立入検査が未実施の2,993件については、引き続き検査を実施していく。また、今回の緊急立入検査の結果を踏まえ、「大阪市北区ビル火災を踏まえた今後の防火・避難対策等に関する検討会」において、必要な対応を検討していく。


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