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「下北線路街」が全面開業/小田急電鉄

「下北線路街は“地域の方々とともにまちづくりを進める支援型開発”の神髄」などと話す星野社長

 小田急電鉄(株)は、下北沢駅南西口改札前の最終開発エリア「NANSEI PLUS」の完成をもって、開発を推進してきた「下北線路街」を28日に全面開業する。

 下北線路街は、小田急線「東北沢」駅~「世田谷代田」駅の地下化に伴ってできた全長約1.7km・敷地面積約2万7,500平方メートルの線路跡地を開発するプロジェクト。2016年開業のテラスハウス「リージア代田テラス」(総戸数10戸)を皮切りに、個人商店を集積させた「BONUS TRACK」、居住型教育施設「SHIMOKITA COLLEGE(シモキタカレッジ)」(総室数102室)など、全13施設の開発を進めてきた。総投資額は約90億円。

 「NANSEI PLUS」は、敷地面積約3,460平方メートル。核施設のラウンジやオフィス、ミニシアター等で構成する5階建て複合施設「(tefu)lounge」と路面飲食店4店舗を1月に開業。3月末に、世田谷区と共に地域住民の要望を踏まえて整備した約713平方メートルの緑地広場「ののはら」を竣工し、4月に「ののはら」を含めた下北線路街の緑の維持管理をサポートする(一社)シモキタ園藝部が運営する園芸ショップ「ののこや」も開業した。5月28日にはアートギャラリー「SRR Projects Space」が開業し、エリア全体の完成を迎える。

 全面開業に当たり27日に会見した取締役社長の星野晃司氏は、「下北線路街は、従来の箱もの開発ではなく、担当者が地元のさまざまな人とのヒアリングを何百回と重ねながら要望をまとめて開発を進めてきた。まさに当社が掲げる“地域の方々とともにまちづくりを進める支援型開発”の神髄といえる。世田谷区や地域の人々の要望に応え、まちに不足していた緑を増やし、さまざまなつながりを意識した回遊性のあるまちづくりが完成した」とし「4月の沿線利用人数の平均が昨年比で11%増のところ、下北沢駅は17%増。にぎわい創出に貢献でき、手掛けてきた開発が実を結んだことを実感している。今後、海老名や小田原など他地域の開発にも今回の経験を生かしていきたい」などと話した。

 なお、「(tefu)lounge」には同社の拠点機能も持たせ、今後も地域と連携を取りながら、下北沢のまちづくりに注力していく。

28日に開業するアートギャラリー「SRR Projects Space」
区や地域住民の要望に応え緑の空間を創出した広場「ののはら」


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