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企業のBCP策定率、17.7%で横ばい/TDB調査

 (株)帝国データバンクは14日、「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2022年)」結果を発表した。調査は5月18~31日、全国2万5,141社を対象に実施。有効回答数は1万1,605社。毎年実施しており、今回で7回目となる。

 自社におけるBCP策定状況は、「策定している」が17.7%(前年比0.1ポイント増)と横ばい。「現在、策定中」が7.6%(同0.3ポイント減)、「策定を検討している」が24.6%(同0.5ポイント増)となった。「策定していない」は42.1%(同0.4ポイント減)。
 規模別でみると、策定している割合は、「大企業」が33.7%(同1.7ポイント増)、「中小企業」が14.7%(同変化なし)で横ばいに。「中小企業」で「策定していない」企業は45.5%、特に「小規模企業」は54.7%と半数を超えた。

 BCPを「策定意向あり」とする企業に対し、事業継続が困難になると想定するリスクについて尋ねたところ、全体では「自然災害」が71.0%(同1.4ポイント減)とトップに。「感染症」が53.5%(同6.9ポイント減)と低下した一方、「情報セキュリティ上のリスク」39.6%(同6.7ポイント増)、「物流の混乱」30.4%(同5.0ポイント増)、「戦争やテロ」19.0%(同6.0ポイント増)が大幅に上昇している。

 BCPを「策定している」企業に対し、BCP策定の効果について聞いたところ、「従業員のリスクに対する意識が向上した」との回答が53.7%でトップ。以下、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」31.8%、「事業の優先順位が明確になった」30.9%と、3割台で続いた。

 「策定していない」理由については、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が42.7%で最も高く、6年連続でトップだった。次いで、「策定する人材を確保できない」が31.1%、「書類作りで終わってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」が26.1%という結果に。「策定にかかる合理的な時間、費用(人件費)の想定や確保が困難」「現実的にリスクをどこまで考えればよいか分からない」などの声が挙がっている。


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