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羽田直結の大規模複合施設、23年1月に全面開業

「プレミア」エグゼクティブキング(53平方メートル)

 住友不動産(株)および100%子会社の関連3社は6日、コロナ禍で開業延期をしていた羽田空港第3ターミナル直結の複合開発プロジェクト「羽田エアポートガーデン」(東京都大田区)を、2023年1月に全面開業すると発表。同日、報道陣に公開した。

 敷地面積約4万3,000平方メートル。地上12階建て、延床面積約9万1,500平方メートル。16年に同地開発に係る民間事業者の公募において、同社グループが選定。18年に国有地を50年定期で借り受け着工。20年3月に竣工し、4月に開業延期を決定していた。国際線の運航が24年には19年の水準に戻ると予測されること、海外旅行先として日本の人気が高まっていること、円安進行でさらに注目度が増していることなどを背景に開業を決定した。

 同プロジェクトは、国際線ターミナル直結で日本最大のエアポートホテル(総客室数1,717室)を核に、MICE拠点となる約1,000人収容可能な大型イベントホールや会議室・バンケット(計10室)や、展望天然温泉施設、地方都市・観光地などの日本各地と結ぶ15停留所のバスターミナル、レストランや物販等、約90の多彩な店舗が入居する商業施設などで構成する。

 今般の水際対策の緩和による入国者数の上限撤廃、訪日観光客のビザ取得免除を受け、先行して22年12月21日に、エアポートホテル「住友不動産ホテルヴィラフォンテーヌ」の一般宿泊を開始する。同ホテルはラグジュアリークラスの「プレミア羽田空港」(160室)、ハイグレードクラスの「グランド羽田空港」(1,557室)の2つのブランドで構成する。

 「プレミア」は全室リバービュー、33~174平方メートルのスイートルームまで、独立型シャワーブースを備える全6タイプの客室を用意。プレミア限定サービスとして、コンシェルジュ、24時間のフィットネスジムおよびルームサービスを提供する。客室単価は33平方メートルのデラックス(ツイン・キング)が1泊4万円台~。「グランド」は18~42平方メートルまで全12タイプ。和洋室やレディースルーム等、4名まで対応する客室も用意している。自動チェックイン機、ランドリールームや外貨両替機など、観光やビジネス拠点として利便性の高いサービスを提供する。客室単価は18平方メートルのモデレートクイーンが1泊2万円台~。

 同ホテル内の展望天然温泉施設「泉天空の湯羽田空港」も同時開業する。24時間稼働の羽田空港に合わせた24時間営業で、宿泊者をはじめ、空港利用者も利用可能。約2,000平方メートルの施設内には飛行場や富士山を眺められる展望露天風呂や4種の内湯、サウナ・岩盤浴ほか、レストラン、マッサージスペースなどを備える。利用料は岩盤浴等を含め4,800円~、1日最大1600名程度の利用を見込む。

 住友不動産ヴィラフォンテーヌ(株)取締役社長の桝井俊幸氏は、「コロナ以前は国内・インバウンド比率を半々に想定していたが、当面は、国内中心の稼働となるだろう。コロナ禍でインバウンドが打撃を受けた一方で、国内では日本文化を再発見するホテルニーズも生まれている。当施設には温泉、日本の名産品が並ぶ店舗、国産食材を用いたレストランなど、東京や日本の魅力を発信するラインナップがある。今後のインバウンド需要増加への回復を期待しつつ、国内の旅行者にも訴求していきたい」などと話した。

 なお、羽田空港の開業で同社グループが展開するホテルは21施設、5,385室となる。

「グランド」スーペリアツイン(23平方メートル)
「グランド」和洋室(29平方メートル)


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