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日本の事業用不動産投資額、コロナ禍前の水準上回る

 シービーアールイー(株)(CBRE)は、2022年第3四半期の投資市場動向を発表した。

 当期の日本における事業用不動産の投資額(10億円以上が対象。土地取引・JREITのIPO時の取得物件は除外)は9,710億円(前年同期比19%減)と、コロナ禍前の19年第3四半期の水準を上回った。投資主体別では、海外投資家による投資額が6,890億円と前年同期比360%増加。複数の大型取引が散見された。

 JREIT投資額は、1,329億円(同74%減)で、2期連続で前年同期を下回った。セクター別の株価動向では、ホテルのみ前期末から上昇した一方で、他のセクターは下落。投資額についても、ホテルだけが前年同期より増加した。

 また、同社が実施している投資家アンケートによると、東京の期待利回り(NOIベース)は、前期から横ばいだったホテルを除き、全セクター(オフィス、マンション、物流施設、商業施設)で低下。最も低下幅が大きかったのは、賃貸マンション(ファミリー、前期比12.5bps減)で、次いで物流施設(マルチテナント型、同5bps減)となった。地方都市の期待利回りも低下傾向が続いており、横ばいだった福岡を除き、全主要都市で低下した。最も低下幅が大きかったのは大阪と札幌だった(ともに同10bps減)。

 当期の投資状況を示すCBRE短観(DI)は、東京Aクラスオフィス、物流施設(首都圏マルチテナント型)ともに「投融資取引スタンス」が悪化。ただし、両セクターとも「投融資を促進した」と回答した投資家の割合が減少し、「現状を維持した」が増加したことが主因となっている。「投融資取引スタンス」の将来見通しについても、「促進する」が再び増加しており「抑制する」は低水準にとどまった。


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