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「六本木ヒルズ」が開業20周年/森ビル

「六本木ヒルズ」外観

 森ビル(株)が運営する「六本木ヒルズ」(東京都港区)が25日、開業20周年を迎えた。

 六本木ヒルズは、開発面積約11ha、集合住宅、オフィス、商業施設、ホテル、文化施設、放送センター等で構成する大規模複合施設。1986年に東京都が六本木一丁目地区を「再開発誘導地区」に指定。森ビルおよびテレビ朝日が地権者に個別訪問等を重ね、賛同を得た約400の地権者と共に計画を進め、2000年に着工、03年に竣工した。

 開業当初から、六本木エリアのコミュニティ醸成に注力していた。再開発組合を元に04年に結成した「六本木ヒルズ自治会」には、計1,050の周辺住民・企業・店舗が所属。地域清掃活動「六本木クリーンアップ」等の地域貢献活動、春祭り・盆踊り等のコミュニティ活動、震災訓練などの安心・安全活動に継続的に取り組んできた。

 また、コンセプトとする「文化都心」の中核をなすオフィス棟最上階の「森美術館」を核に、さまざまな文化活動を展開。同美術館では、20年間で約60回の展覧会を開催し、累計1,850万人が来館。09年からは東京都・港区と連携し、一夜限りのアートイベント「六本木アートナイト」を実施するなど、まちぐるみでのイベント開催にも注力し、六本木エリアを“アートのまち”へと発展させた。

 ヒルズの開業で、周辺の人口動態や不動産市況も大きく変化。周辺エリアの居住者数(港区)は、開業前(02年)の16万4,000人から23年は26万3,000人と約1.6倍に増加。地下鉄「六本木」駅の乗降客数も、02年の2,262万人だったのが、19年には4,203万人と約2.2倍にもなった。また、六本木エリアの地価(1坪当たり)は02年の667万円が20年は1,500万円と約2.2倍も上昇している。

 同社は現在、隣接する虎ノ門エリア、麻布台エリアで大規模な再開発プロジェクトを推進。今後は両エリアとも連携を図りながら、六本木のまちをさらに盛り上げる方針。


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