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(株)コスモスイニシアは、リノベーションマンションに「インクルーシブデザイン」の考え方を取り入れていく。これまで見過ごされがちだったユーザーの目線で商品企画を考えていくことで、従来の住まいでは顕在化しにくかった課題を可視化。将来的には、「ユニバーサルデザイン」として、一般のリノベーションマンションや新築マンションの商品企画に反映させる。
「インクルーシブデザイン」とは、「できるだけ多くの人に合わせる設計(ユニバーサルデザイン)」ではなく、高齢者や障害者など、これまで見過ごされがちだった人たちの困難や違和感に目を向け、その声から環境やサービスを見直していく手法。できるだけ多くの人にとっての使いやすさに加え、特定の人の快適性や安心感を向上させる点が特徴。
同社は、リノベーションマンション事業とアパートメントホテル事業「MIMARU」でインクルーシブデザインの導入を企画。2025年に、インクルーシブデザインを専門とするデザインスタジオCULUMUと連携。「発達特性のある子供とその家族の日常生活における困りごと」に焦点を当て、有識者へのヒアリングや当事者参加型のワークショップを通じて、日常生活における困りごとを抽出した。
これらの声を「お困りごとマップ」として整理・可視化し、単なる課題の解消にとどまらない「より楽しく、心地よく過ごせる住まい」にするためアイデアを検討。設備・間取り・素材・居場所づくりへと落とし込み、リノベーションマンション3戸の設計に反映し、26年4~5月に竣工させた。
今回竣工した各住戸では、(1)予定や持ち物を視覚的に整理することで、予測できない事態への不安を軽減する「お支度スペース」、(2)気持ちが高ぶった時・自分の世界に没頭したい時に過ごせる「カームダウンスペース」、(3)光や音などの刺激に敏感な特性に配慮した空間設計、(4)転倒や衝突のリスクを軽減するデザイン・素材の選定、を実施した。
その一つ「ボヌール千石」(東京都文京区、総戸数68戸、1999年築)は、4LDK・106平方メートルのメゾネット住戸をリノベーション。廊下を350mmオフセットしてベンチ(下部収納)を設置。その前をマグネットボードとすることで、子供がその日のスケジュールを確認したり、身支度を整えるスペースとして提案した。
リビングの壁はチョークで落書きができるクロスを採用。インテリアカラーは全体的に落ち着いたものとしつつ、一部には子供の感性に訴える鮮やかなクロスも使っている。地階への階段も転倒時のショックをやわらげ、かつ「落ち着く居場所」として使えるように、フローリングではなく毛足の長いカーペット敷きに。子供部屋の隣には約1畳の「カームダウンスペース」も設けた。
販売価格は、1億3,480万円。
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