国土交通省は5日、建築物のライフサイクルカーボン(LCC)の算定・評価等を促進する制度に関する検討会を開いた。2026年7月に改正建築物省エネ法が成立し、建築物ライフサイクルカーボン評価制度が創設されたことを受け、届出制度等の28年度の開始に向けたルール整備等の検討の方向性について意見交換を行なった。
冒頭、事務局を務める国土交通省が同改正法の概要について説明したのち、主な検討事項について提案。建築物LCCの算定・評価方法に加え、建材・設備等のCO2等排出量原単位の算定・表示といった算定ルール、建築主による国への届出制度、建築士による建築主への説明制度、第三者認証・表示に関する内容といった制度の骨格について骨子案を示した。
骨子案では、算定・評価の手法や対象範囲について、建築基準法で定義された建築物の資材製造・施工から使用、解体の各段階に加えて使用時のエネルギー消費等とする。また、建物に対する追加性や担保性のある敷地外での再エネ活用の取り組みなどを考慮することとしている。評価を行なう期間は60年で統一し、各段階における算定式を検討していく。既存建築物や修繕工事についての実績評価については今後の検討課題と位置付けた。
また、届出制度に関しては建築計画概要のほか、LCC等計算書およびその根拠資料、実施する削減措置などについてのチェックリスト案を示した。削減措置については、施工現場での省エネ・創エネ対策や、長寿命化、資材の再利用などに関する項目を設けた。また、LCC評価に影響を与える可能性がある地盤や耐震性能などについても盛り込んでいる。
これらの原案に対して、出席した委員からは「届出資料については中小企業、特に設計・施工等を行なう事業者に入念なヒアリングを行ない、業務負担軽減に努めてもらいたい」「制度が複雑化すると、認定やその審査のコストが上昇し、個別の事業規模が小さな低層戸建住宅ではコストアップの影響が大きくなる。負担軽減の取り組みがほしい」「LCCを算定するための人材育成についても言及するべき」などといった意見が挙がった。
次回の会合は11月9日。算定ルールや制度内容に関する議論を行ない、年明け27年1月28日には基準値等について検討していく。その後、27年3~4月には省令・告示の骨子についてとりまとめを行ない、5~6月にはパブリックコメントを実施。省令・告示の公布は27年夏ごろを予定している。