記者の目 / 開発・分譲

2014/6/6

世界都市東京に誕生したモダンなアパルトマン

東京人も泊まりたい?「コートヤード・バイ・マリオット東京ステーション」

 東京駅から徒歩4分という絶好のロケーションに、4月2日、コートヤード・バイ・マリオットホテル東京ステーションがオープンした。  中央通りに面し、地下鉄「京橋」の駅からは徒歩1分。銀座のまちへは歩いて10分もかからない。ショッピング目的のステイだって出張ステイだって、ここならば、楽しめること間違えなし!だって、洗練された客室は、『パリのアパルトマン』をイメージしているというじゃない。  これは見ておかないと!  というわけで、開業直後の施設をたっぷり見学。  「東京人が敢えて泊まりたいホテル」と言えるその魅力をリポートします。

東京メトロ「京橋」駅隣接。中央通りに誕生した、世界都市東京のアパルトマン、「コートヤード・バイ・マリオット東京ステーション」
東京メトロ「京橋」駅隣接。中央通りに誕生した、世界都市東京のアパルトマン、「コートヤード・バイ・マリオット東京ステーション」
京橋一丁目の交差点。北に日本橋、南に銀座の中央通り沿い
京橋一丁目の交差点。北に日本橋、南に銀座の中央通り沿い
後方にグラントウキョウサウスタワー。JR「東京」駅八重洲南口より徒歩4分の好立地
後方にグラントウキョウサウスタワー。JR「東京」駅八重洲南口より徒歩4分の好立地
ホテルフロアは2~4階。1階カフェ横のエレベーターで、4階のレセプションへ
ホテルフロアは2~4階。1階カフェ横のエレベーターで、4階のレセプションへ
1階のレストラン「LAVAROCK DINING & BAR」は、朝は宿泊者の朝食の場、昼どきは、近隣のビジネスマン(ウーマン)らが集うダイニング。天井高6メートルの開放的な空間
1階のレストラン「LAVAROCK DINING & BAR」は、朝は宿泊者の朝食の場、昼どきは、近隣のビジネスマン(ウーマン)らが集うダイニング。天井高6メートルの開放的な空間
レセプション前にある「ライブラリーバー」
レセプション前にある「ライブラリーバー」
パリのアパルトマンをイメージして作られたラウンジ。まったりとここで過ごせるのは、宿泊者の特権。一歩外に出れば、そこは都会のど真ん中
パリのアパルトマンをイメージして作られたラウンジ。まったりとここで過ごせるのは、宿泊者の特権。一歩外に出れば、そこは都会のど真ん中
「フォトグラファーズコーナーツイン」ルーム(33平方メートル)
「フォトグラファーズコーナーツイン」ルーム(33平方メートル)
「エディターズクイーン」ルーム(26平方メートル)の一角。千鳥柄などで、「和」を意識した空間を演出
「エディターズクイーン」ルーム(26平方メートル)の一角。千鳥柄などで、「和」を意識した空間を演出
女性専用客室「キュレーターズダブル」ルーム(19平方メートル)は、全室加湿器付。アメニティはロキシタン
女性専用客室「キュレーターズダブル」ルーム(19平方メートル)は、全室加湿器付。アメニティはロキシタン
ベッドサイドにあるこちら。さて、こちらは何でしょう?
ベッドサイドにあるこちら。さて、こちらは何でしょう?
実はこれを持ってライブラリーバーに行けば、1つに対して珈琲1杯が無料サービス。全客室内のベッドサイドにある。スマホ置き場となっている木の雑貨は、フィンランド直輸入の木材を使って作られたもの
実はこれを持ってライブラリーバーに行けば、1つに対して珈琲1杯が無料サービス。全客室内のベッドサイドにある。スマホ置き場となっている木の雑貨は、フィンランド直輸入の木材を使って作られたもの
この廊下の広さといったら…飽きのこないよう、デザインがアクセントに
この廊下の広さといったら…飽きのこないよう、デザインがアクセントに

 コートヤード・バイ・マリオット東京ステーションホテルは、2014年2月28日竣工の「京橋トラストタワー」に入居するホテル。

 東京都が進める「アジアヘッドクォーター(AHQ)特区」内に、国際基準の高機能オフィス・外資系ホテル等の融合体として誕生した同施設は、次世代基準を見据えた業界最高水準の防災性能と環境性能も実現している。

 「ハイブリッド制振構造」を採用し、一般の超高層建築物の約1.5倍の高度な耐震性能を実現。震度7クラスの地震にも耐えられる。停電発生時には平常時の約8割をカバーする電力供給が可能な高出力発電機と、最大で1週間の供給が可能な大容量燃料タンクや、「エネルギーの見える化」などユーザーの視点での環境配慮設備も装備されており、東京都「省エネルギー性能評価書制度」では最高のAAAランクを取得している。

銀座へぶらり 

 この近辺ではありそうでなかった、中央通り沿いの外資系ホテル。少し足を延ばせばサラリーマンのまち、新橋にだって、歩いて行ける距離だ。
 京橋駅の改札口から、中央通りに出て見上げると、地上21階建ての建物は想像以上に存在感がある。道路を挟んでカフェが2つ3つ。百貨店もブランドショップもセレクトショップも見渡せる。
 この交差点に立つと、アクティブに東京を動き回りたくなる。そう、銀座へ「ぶらり」気分だ。

パリのアパルトマンだもの

 が、意外とこのホテルは「おこもり系」。
 というのもコンセプトは、中央通りを見下ろす「世界都市東京のモダンなアパルトマン」。長期滞在者にも、それぞれがリフレッシュして、自宅にいるような気分で心地よい時間を過ごせるようにと、快適なデザイン空間を追求しているのだ。

 同ホテル1階にあるカフェとレストランは中央通りに面し、ホテル宿泊者でなくても「入りたい!」と、思わず引き込まれそうになる開放感がある。
 カフェ「Cafe&Bakery GGCo.」は、自然の木の温かみを演出。テラス席にいても、室内席でも、木のぬくもりに包まれて、ゆったりとしたコーヒー時間を堪能できるよう、座席の間にも広く空間を設けているのが特徴だ。珈琲もパンも美味!レストラン「Dining&Bar LAVAROCK」は、ヨーロッパの鉄道駅の佇まいをモチーフにした天井高6mもの広々空間で、ビストロ料理と種類豊富なワインを頂けるダイニング。グリル料理は、意外とリーズナブルで、近隣のOLたちに大好評だとか。

オーナーに自宅に招かれたようなラウンジ

 レセプションは4階。ホテルのレセプションのイメージを変える、温かさや和みを感じさせるスペースだ。流されている音楽は日替わりだそう。

 レセプションカウンター前には落ち着いたパブリックスペース、ライブラリーバーがあるが、総客室数150室とコンパクトなため、騒々しさはなく、大きなテーブルや、ソファ席で宿泊者は思い思いの時間を過ごすことができる。自宅のリビングのような趣のこの空間のインテリアコンセプトは、「パリのアパルトマン」そのもの。オーナーが好きなものを好きなように集め、アパルトマンを訪れるゲストを招き入れる共用ラウンジをイメージして作られており、海外から取り寄せたアートワークや、ビジュアルブックなどが並べられている。

エディタールームには和のエッセンス

 客室のデザインが、面白い。
 「クリエイター」「エディター」「フォトグラファー」「キュレーター」の4人のアパルトマン住人のライフスタイルイメージをもとにデザインされている。
 たとえば、感性を刺激するユニークなカラーコーディネートを楽しむなら「クリエイター」タイプの客室を、白を基調としたニュートラルなデザインなら「フォトグラファー」タイプ、というように。
 注目は、「エディター」タイプ。有名雑誌のトップ編集長が暮らす部屋をイメージしながら、ZENスタイルとして表現した客室だ。月や山のイラスト入りのランプや、千鳥柄のインテリアなど、「言われなければわからない!?」ようなところに、ちょっぴり遊び心を入れた禅エッセンスが隠れている。意外に外国人客はすぐにわかるような気もする。そんな発見が面白い客室だった。
 また、若い女性には、加湿器つきのちょっと乙女な雰囲気の「キュレーター」タイプがおススメだ。

 客室の広さは、16~33平方メートルで、平均は22平方メートル。
 もっとも多いタイプが「クリエイターズツイン」(50室)で、20平方メートル。1名利用で定価34,000円。

粋なサービス

 客室を見学中、ベッドサイドにさりげなく置かれた小物に目がいった。どうもこれは、単なる置物ではないらしい。
 この小さなカップをラウンジに持っていくと、珈琲1杯が無料サービスされるというもの。ゲストは、1回の宿泊で2杯まで無料だという。カードでもなく、このカップを持参、というアイディアが楽しいし、可愛らしい。また、このカップが置かれた木製の台も、フィンランド直輸入の木材を加工したこだわりものもだそうだ。
 
 客室の広さはそれほどでもないにしても、細やかな楽しさがある。
 コンパクトながら24時間利用可能なジムも併設。ホテルブランド提携施設「トラストシティカンファレンス京橋(TCC京橋)」もあり、ミーティングなどに利用可能だ。天井高3.85メートル、広々としたスペースと内装デザインが特徴だ。

 取材時は開業後3週目だったが、その時点では外国人客が60%と、半数以上を占めていた。「東京」駅に近いバリューもあり、30歳代の外国人ビジネス客を中心に、ファミリー層まで幅広く利用されているとのこと。中でも北米からの客が多いとか。彼らの目に、今の銀座のまち並みはどう映るのだろう。

 圧倒的な存在感と、洗練されたサービスで人々を癒してきたホテル西洋銀座がなくなってしまった今、銀座近辺に滞在したいと望む人々は、このコートヤード・バイ・マリオット東京ステーションに流れるのはまず間違えないだろう。
 
 最後に、同社の今後の展望について担当者に聞くと、「これまでの「安定性」を重視した経営戦略から、「成長性」に軸足を移し、『虎ノ門・赤坂エリア』、『品川・三田エリア』といった、国や東京都が国家戦略上の重点エリアに位置付ける場所に所有する大型未稼働資産や物件を活用し、経営環境を捉えながら、計画を進めていく」とのこと。

 東京オリンピック開催に向けて、都心エリアが徐々に姿を変えていく。その変化が今からとても楽しみになってくる。(Y)

***
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