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住宅の防犯環境設計についてフォーラム/旭化成ホームズ

「古来の日本の住宅は、外国に比べると防犯面で比較的脆弱な構造だったが、“人の目”など、地域の縄張り意識や帰属意識で補完してきた」などと話す山本教授

 旭化成ホームズ(株)は8日、AP東京丸の内(東京都千代田区)で15回目となる「くらしノベーションフォーラム」を行なった。同フォーラムは、プレス関係者や同社くらしノベーション研究所の所員が住まいに関する知見を深める目的で定期的に実施しているもの。

 今回は、年末にかけて意識が高まる「住まいの防犯」に着目。明治大学理工学部建築学科教授の山本俊哉氏が「科学的根拠に基づいた犯罪予防~防犯環境設計の効用と限界~」をテーマに講演。犯罪予防には、自助(危機回避や防犯教育)・公助(刑罰の厳格化・矯正教育)・共助(地域や事業者等による見守り、の3つのアプローチの推進が必要だとした。また、防犯環境設計については、被害対象の強化や接近の制御といった「直接的手法」と、監視性の確保や領域性の強化などの「間接的手法」を通した共助の促進が効果的であるとした。山本氏は、「防犯性を高めた住宅により、犯罪は減少しているものの、これだけで十分とはいえない。防犯環境は安全のアプローチの一つといえる」などと話した。
 
 その後、くらしノベーション研究所の松本吉彦氏が「戸建住宅侵入被害10年間から今後の防犯対策を考える」をテーマに研究発表を行なった。へーベルハウスの住宅対象侵入窃盗の約7割を占める空き巣を対象として、アフターサービスの修理記録などから図面調査を実施。警察とは異なる、ハウスメーカーの視点を盛り込んだ調査を行なってきた。防犯対策として、「みまもり」を生かす外構や、高窓やシャッターを採用した開口部の導入、照明の点灯やシャッター閉めといった居住者の取り組みを提案が重要とした。


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