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東京Aクラスビルの成約賃料、前期比ほぼ横ばい/三幸エステート調査

 三幸エステート(株)は1日、(株)ニッセイ基礎研究所と共同開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標「オフィスレント・インデックス」2016年第4四半期版(10~12月)を発表した。

 東京都心部のAクラスビル(延床面積1万坪以上、基準階床面積300坪以上、築年数15年以内)の賃料は、前期比ほぼ横ばいの1坪当たり3万3,785円(前期:3万3,703円)。15年第3四半期を頂点にゆるやかな低下傾向が続いている。築浅ビルが中心の既存ビルに対する需要は底堅いが、新築ビルをはじめとする一部の高額物件では、テナント誘致に時間がかかるケースが増えている。
 空室率は3.4%(同0.5ポイント上昇)と2期連続での上昇。新築ビルへの需要が顕在化しにくくなるようであれば、空室率が上昇傾向を続ける可能性もあると同社は見ている。

 一方、Bクラスビル(基準階面積200坪以上でAクラスに含まれないビル)は、1坪当たり賃料が1万8,385円(同4.6%低下)と3期連続の低下。16年第1四半期をピークとして、低下傾向が鮮明になりつつある。
 空室率は2.2%(同0.4ポイント低下)と再び低下に転じ、08年第4四半期以来の低水準となった。

 また、今期よりCクラスビル(基準階面積100坪以上で200坪未満。築年数制限なし)もデータを公開。1坪当たり賃料が1万5,345円(同7.5%上昇)と上昇に転じた。A・Bクラスビルでは賃料に天井感が漂い始めているが、Cクラスビルにはまだ及んでいないと見られる。
 空室率は2.7%(同0.3ポイント低下)と引き続き10年第3四半期をピークとする低下傾向が継続。

 賃料を前年同期と比較すると、Aクラスビルは2.8%上昇、Bクラスビルは0.7%上昇、Cクラスビルは6.2%上昇した。


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